台湾三読制度とは

台湾三読制度とは


台湾において、法律が成立するには立法院で「三読(中国語:三讀)」を経た後、総統が公布する必要があります。
台湾は、五権分立制(立法院、行政院、司法院、考試院、監察院)を採用しており、立法院は日本の国会に相当します。
この「三読」とは、簡単に言うと三回の過程を経るという意味で、「一読」、「二読」、「三読」がそれぞれ存在しています。そしてこれらの規定は、「立法院職権行使法(中国語:立法院職權行使法)」に規定されています。


「一読」


立法院職権行使法第8条第1項規定によれば、「第一読会とは、主席が議案を朗読しこれを行う」と規定されています。
法案は政府機関または議員立法によって作成され、これらはまず立法院手続委員会に送られます。その後、立法院に報告され、立法院の主席が当該議案を朗読することによって、この「一読」が完了します。


「二読」


「一読」が完了した後、それぞれの専門性に合わせて各委員会に送られ審議が開始されます。
立法院職権行使法第9条の規定によれば、「第二読会とは、各委員会で審査した議案、または立法院が審査しない議決をしたものを二読の議案に付し討論することによってこれを行う。第二読会は、議案を朗読し、順次または逐条にて討論しなければならない。第二読会は、意見または原案要旨を審査し、幅広い討論をする。幅広く討論した後、出席委員で提案がある場合には、15人以上の連署または付議をもって行い、表決を通過した後、これを再審査または取消すことができる。」
立法院職權行使法第9條規定:「第二讀會,於討論各委員會審查之議案,或經院會議決不經審查逕付二讀之議案時行之。第二讀會,應將議案朗讀,依次或逐條提付討論。第二讀會,得就審查意見或原案要旨,先作廣泛討論。廣泛討論後,如有出席委員提議,十五人以上連署或附議,經表決通過,得重付審查或撤銷之。」


「三読」


立法院職権行使法第11条の規定によれば、「第三読会は、第二読会の次の議会でこれを行わなければならない。ただし、出席委員で提案がある場合には、15人以上の連署または付議をもって行い、表決を通過した後、二読後継続して三読の進行をできる。第三読会は、議案の内容に相互抵触、または憲法、その他法律に抵触することを発見したときを除き、文字をもってのみ修正できる。第三読会は、議案全案の表決に付す。」


おわりに

基本的に法案を改正する際には、二読までは順調に行くことが多いですが、三読にて、いわゆる政党の関係で通過できないことが多いです。そして、よく新聞等で発表される「行政版本」は、内閣版の意味で、立法院の段階において内容が変更されることが多いのが現状です。
また、台湾における、法改正の速度は国外(アメリカ等)の国際的な圧力を受ける場合を除き、非常に遅いのが近年問題点として指摘されています。