台灣労働法関連 労働契約
労働契約
種類
労働契約には定期契約(有期労働契約)と不定期契約がある(台灣労働基準法第9条)。
定期契約
定期契約とは臨時性、短期性、季節性及び特定性の作業に適用される。そのため、常時設置の部門等の労働者に定期契約は不可である。
臨時性作業とは、予想することができない非継続性作業をいう。その作業期間が6箇月以内のものをいう(台灣労働基準法施行細則第6条第1項第1号)。
短期性作業とは、6箇月以内の完成が予想できる非継続性作業をいう(台灣労働基準法施行細則第6条第1項第2号)。
季節性作業とは、季節性の原料、材料の出所または市場販売の影響を受ける非継続性作業をいう。その作業期間が9箇月以内のものをいう(台灣労働基準法施行細則第6条第1項第3号)。
特定性作業とは、特定の期間に完成させる非継続性の作業をいう。その仕事期間が1年を超えるときは、主務官庁に届出て許可を得る必要がある。
不定期契約
不定期契約とは、継続性のある作業に適用される。台灣最高裁によれば、継続性のある作業とは、労働者が務める作業で、当該事業単位の業務性質と経営運営が持続性の需要を有していることをいう。継続性か特定性の作業に属するかは、労働契約締結当時の当該事業単位の業務性性質と経営運営の状況を以て、労働者が務める作業が持続性の需要があるか否かを判断し、契約締結以後の状況で判断するものではない。労働契約締結後の状況の変更によって容易にその性質を変更できてしまっては、法律秩序の安定を維持できない(最高法院101年度台上字第264號判決)とされている。
さらに、労働契約が定期または不定期契約に属するかは、関係法令及び従事する作業性質を以て認定し、契約書約定の定期または不定期によって決まるものではない(最高行政法院93年度判字第944號判決)。
また、行政解釈によれば継続性のある作業とは、非継続性に該当しないものであり、非継続性とは使用者が経済活動の持続維持の意思はないが、その経済活動から派生する関連職務作業のみを達成することをいう(勞委會89年台勞資二字第0011362號函)。
方式
労働契約は書面でなくでも可能、ただし、技術生の契約等の際は必須である。
台灣労働基準法第65条第1項
使用者は、技術生を募集採用するときには、技術生と書面による訓練契約書を3通を作成し、訓練項目、訓練期間、食事宿泊の負担、生活手当、関連教育、労働者保険、修了証明書、契約の効力発生と解除の条件及びその他双方の権利、義務に関する事項を明記し、各当事者がそれぞれ保管するとともに、その1部を主務機関に届け出なければならない。
記載事項
労働契約には、労働基準法の規定、就業規則の約定事項を記載しなければならない。
労働基準法に基づく主な記載事項は台灣労働基準法施行規則細則第7条の規定による。
就業規則の約定事項は、台灣労働基準法第70条の規定による。