台灣労働法関連 配転五原則

配転五原則(台灣労働基準法第10條の1

配転に関しては、五原則に合致していることが必要である。

当該五原則は、1985年行政解釈(内政部74台内勞328433號函)によって提示されており、その後2015年の改正に伴って条文に規定されることになった。


台灣労働基準法第10条の1

使用者による労働者の配転は、労働契約の約定に違反してはならないとともに、次の原則に合致しなければならない。

一、企業経営上必須で、かつ不当な動機及び目的を有していないこと。ただし、法律に別途規定があるときは、この規定に従うものとする。

二、労働者の賃金及びその他労働条件に対し、不利な変更をしないこと。

三、配転後の作業が労働者の体力及び技術に耐えうること。

四、遠隔地の作業場への配転は、使用者が必要な協力をすること。

五、労働者及び家庭の生活利益を考慮すること。


また、最高裁判決(最高法院民事判決105年度台上字第2212號)においても「配転命令が合法か否かは、業務において当該配転命令の必要性または合理性、その他不当な動機または目的の有無、及び労働者が配転によって生活において受ける不利益、社会一般通念に基づき労働者が耐え難い不合理か否かを総合的に考慮する」とされている。


実務上は

  • 解雇回避型の配転
  • 労働災害回復期間の配転
  • 健康診断の結果に基づく配転
  • 懲戒型の配転

の場合のみ、配転可能。


違法配転に対しては、

労働者は主体的に契約を終了できるとともに、使用者に解雇手当を請求できる(労働基準法第14條第1項第6号)(労働基準法第17條)。


労働基準法第14条

次のいずれかに該当するときは、労働者は予告なしに契約を終了できる。

六、使用者の労働契約または労働法令に違反により、労働者の権益に損害の恐れがあるとき。


労働基準法第17条

使用者は、前条の規定によって労働契約を終了する場合、次の各号の規定によって、労働者に解雇手当を支払わなければならない。