台湾と五倍券?

台湾と五倍券?

 

最近、台湾で話題になっている「五倍券」。

この「五倍券」とは5000元分の商品券のことで、コロナの経済対策の1つとして打ち出されました。

しかし、この「五倍券」が発行されるまでには、右往左往ありました。

今回はそんな「五倍券」を紹介しょうと思います。



五倍券とは

「五倍券」は、コロナの経済対策の1つとして支給される5000元分の商品券です。

これはいわゆるコロナで影響を受けた飲食業や観光業等の救済を兼ねており、ネットショッピング等での使用はできません。

そしてこの商品券は、なぜ「五倍券」というかについては、2020年に支給された「三倍券」を知る必要があります。



三倍券とコロナ

「三倍券」は、2020年に支給された商品券で、1000元支払うと3000分の商品券、つまり3倍の商品券を貰えることから「三倍券」といいます。

例外として、低所得家庭等は、1000元の支払の必要なく受け取ることができます。

2020年に支給されたこの三倍券は、現金に比べ使用期限があるため経済効果が期待され、結果多くの人が1000元を支払いこの「三倍券」を受領しました。

しかし、当初この三倍券は外国人の取得が認められず、欧州台湾商工会等も、台湾人と同様もしくはそれ以上に税金を支払っているにも関わらず、台湾人と同様の待遇を受けることができないことに不満を示しています。


参考:TVBS新聞網、振興三倍券 歐洲商會:應給外籍人士同等待遇、2020年06月12日。https://news.tvbs.com.tw/politics/1338393



五倍券と外国人

今回の「五倍券」も、使用期限があるため現金よりも経済効果が期待されます。

しかし、問題となるのは、2020年の3倍券支給の時期に比べ、台湾国内においてコロナが流行したため、コロナ対策として飲食店等の閉鎖が余儀なくされ、飲食業のみならず国民全体の生活、仕事、所得に大きな影響を与えたにもかかわらず、国民全体への給付金(日本で言う全国民(外国人を含む)への10万円の支給等)は一切行われず、この五倍券のみであるということです。

そして、この「五倍券」も検討当初は、「三倍券」と同様に1000元を支払うこととされていました。しかし、他国の現金による給付金の状況や各種批判を受けたことにより、結局は直接5000元分の商品券を支給することになりました。

そして、今回もここで問題となるのは、外国人の扱いです。

結果は、「五倍券」も「三倍券」と同様に、たとえ税金を払っていたとしても外国人労働者には一切の支給が行われないことになりました。

新聞等では、外国人でも要件を満たせば受領でき、外国人にも配慮していることを記載していますが、実際は結婚等をしていない外国人労働者には五倍券の支給はなく、海外等における外国人への現金支給との差はますます明らかになっています。


外国人五倍券受領資格の例

1.永住権資格のある外国人
2.配偶者ビザの外国人
3.大使館等で働く外国人


もちろん外国人を自国民より優遇することは自由です。

しかしここにおいて興味深いのは、よく外国人を排除していると言われる日本でさえも、外国人労働者に給付金を支給しているにも関わらず、外国人に優しいと言われる台湾において一切の支給がなされていないことです。

これら外国人に対する対応は、おそらく今後の外国人労働者獲得等にも大いに影響してくるのではないかと思います。

以上、今回は、台湾で話題の「五倍券」についてでした。

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