台湾留学と海外留学保険?

台湾留学と海外留学保険?

 

台湾に留学する際に、多くの方が海外留学保険に加入すると思います。

実際、正規の台湾留学では、入学前に民間の保険に加入していることが条件になっていることもあります。または入学後、健康保険証取得するまでの間、大学から保険に加入することもあります。

この海外留学保険ですが台湾で居留証を取得し、国民健康保険に加入した場合でも引き続き日本で加入する事が必要でしょうか?

結論としては、もちろん場合にもよりますが、日本で海外留学保険に引き続き加入する必要はないと考えます。その理由を今から説明します。



台湾の国民皆保険制度

台湾では日本と同様に国民皆保険制度を採用しています。そのため、留学生でも保険料を支払っていると思います。おそらく大学が毎学期まとめて徴収していることと思います。

余談ですが、よく保険料が日本より安いといいますが、実際はかなり高く設定されてます。

外国留学生の保険料は2021年現在、1か月826台湾ドル(約3,221円)(1台湾ドル3.9で計算)。

日本に留学している外国人の保険料は地域によって違いますが、1年で約10,000円から12,000円ほどです。

なので、台湾の外国人留学生の保険料は、台湾で毎月53,000台湾ドル(約20万6700円)の収入があるサラリーマンの毎月保険料822台湾ドルとほぼ同じ額です。



保険料比較

日本の外国人留学生台湾の外国人留学生台湾社会人
収入なし 1年 約12,000円収入なし 1年 約38,652円毎月約20万6700円 1年 約38,470円


本題に戻ります。この国民皆保険制度のおかげでクリニックで診察を受けさらに薬をもらっても300新台湾ドルまでで収まることがほとんどです。大学病院でも値上がりしましたがそれでも800新台湾ドルもあれば十分です。

そのため、一般的な風邪等の診察には、民間医療保険は必要ないと思います。



台湾の高額療養費制度

日本の高額療養費制度とは、医療費の自己負担額が高額になった場合、 一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。

実は、台湾にも高額療養費制度があります。しかし、様々な制約があります。


2022年1月1日現在(毎年変更になります)

急性病室の場合は30日以内、慢性病室の場合は180日以内の医療費において

●同一の病気で毎回入院する場合の最高支払額:43,000新台湾ドル
●1年間において入院する場合の最高支払額:72,000新台湾ドル


毎年政府が負担してくれる金額は低くなっています。それに比例して、市民が支払う最高支払額が増えています。

年度毎回最高支払額1年間最高支払額
2022年43,000新台湾ドル72,000新台湾ドル
2021年41,000新台湾ドル69,000新台湾ドル
2020年39,000新台湾ドル65,000新台湾ドル

いわゆる緊急の病気で、30日を超える入院の場合、超えた部分は実費になります。

また、先に医療費を支払い後に払い戻しの形になるため、注意が必要です。


(例)

緊急入院10日、医療費80,000新台湾ドルの場合は、80,000―43,000=37,000新台湾ドルが戻ってきます。


ただし、高額療養費制度が使用できないものに、病室の差額ベッド代、自費医療機材、自費の薬、食事代等があります。

台湾の食事代は、200~500新台湾ドル(自分でどの食事に決めれる事が多い)の場合が多いです。

台湾の差額ベッド代ですが

台湾大学病院だと

1人部屋で3600~8000新台湾ドル(ベッド代差額)(1日)

2人部屋で1600~2500新台湾ドル(ベッド代差額)(1日)

となっています。


緊急入院10日の場合、仮に差額ベッド代5000新台湾ドルにして 

10日×5,000=50,000新台湾ドル

となります。


そのため、1人部屋を希望した場合の差額ベッド代や自費医療機材、または30日以上入院する場合に備えることも必要かもしれません。



台湾の民間保険

上記のように、差額ベッド代や自費医療機材、または30日以上入院する場合に備えるために、日本の民間保険に加入しておけば安心という方もいるかも知れません。しかし、台湾で怪我をして入院を伴う場合、病院の診断証明書を英語でもらいそれを日本に送ってする等、結構時間と手間がかかると思います。

また、日本人の場合、日本で引き続き国民皆保険制度に加入している場合には、申請すれば海外の医療費も一部の給付を受けることができます。しかし、これもまた手間が結構かかります。

そこでおすすめするのが台湾の民間保険の掛け捨ての医療保険です。

日本で、貯蓄型の医療保険に入っていてそのまま加入する場合などは例外ですが、日本で掛け捨ての海外留学保険に入るよりは、安くて便利だと思います。

ただし、台湾で、個人で、掛け捨て医療保険に入る場合には、種類はかなり限られます。基本台湾では、終身タイプが主になるためです。

また、加入には居留証が必要になります。

台湾で大手の台灣人壽の掛け捨て医療保険を参考に見てみます。

プラン名:台灣人壽(一年期住院醫療日額健康保險附約(新) – YHB)計画五

費用
男性20歳 年間保険料8,070新台湾ドル(約31,473円)
女性20歳 年間保険料7,625新台湾ドル(約29,738円)

保証内容
住院日額
一般病室(1~30日):毎日2,500新台湾ドル (最高365日まで)
一般病室(31日以上):毎日5,000新台湾ドル (最高335日まで)

外科手術:150,000新台湾ドル

参考サイト

https://www.smartbeb.com.tw/product/YHB-%E5%8F%B0%E7%81%A3%E4%BA%BA%E5%A3%BD%E4%B8%80%E5%B9%B4%E6%9C%9F%E4%BD%8F%E9%99%A2%E9%86%AB%E7%99%82%E6%97%A5%E9%A1%8D%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%BF%9D%E9%9A%AA%E9%99%84%E7%B4%84(%E6%96%B0)


もちろん掛け金を多くすることで補償額をあげることも可能です。また特約の「實支實付」をつけることで格段に補償額も増え、雑費まで保障されるようになります。

そして、実際にはネットにのっていない保険販売員だけが販売できるものも多くあります。更にネットより安いことも普通にあります。中国語ができる方は、ぜひ電話して聞いてみましょう。

また、台湾ではコロナ掛け捨て保険もあり、コロナと診断された場合には、給付金が支給されますので、心配な方は加入してもいいかもしれません。

留学で一定期間滞在する場合や、仕事で長期滞在する場合には、投資型の積立保険もありだと思います。

日本では、投資型の積立保険とは良くないと言われますが、金利、金融システムが日本とは異なるため、おすすめです。もちろん直接台湾で、株や積立投資をしてもいいですが、中国語でよくわからない場合は、もういっそうのこと、投資型の積立保険にするのもいいかもしれません。

興味のある方は、ぜひ一度調べてみてください。



おわりに

以上の理由より、日本で掛け捨ての海外留学保険に加入するよりは、台湾で民間の掛け捨て医療保険に加入するほうがいいのでなはいかと思います。もちろん一概には言えないので、最後は自分の好きな方法を選んでみてください。

POINT

台湾も国民皆保険制度がある
台湾の高額療養費制度もある(制限あり)
日本で加入している国民皆保険制度による海外の医療費申請
台湾の民間の掛け捨て医療保険でもある程度はOK



注意事項

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必ずご自身でご確認ください。また、常に最新の情報であるとは限りません。
最新の保険料、高額療養費制度等は、台湾衛生部のホームページをご確認ください。
実際の保険の内容はご自身でご確認ください。