第4章 特許協力条約(PCT)/ 第四章 專利合作條約(PCT)

第4章 特許協力条約(PCT)/ 第四章 專利合作條約(PCT)
Chapter 4 / 第四章 — International IP Law Treaty Compendium
特許協力条約(PCT)
專利合作條約(PCT)
Patent Cooperation Treaty 1970年採択・1978年発効・158カ国締約・WIPO管理
日本語

特許協力条約(Patent Cooperation Treaty)は、特許の分野において、各国特許庁及び出願人の重複した労力を軽減し、発明の保護の取得を簡易かつ経済的なものとすることを主目的として締結された条約。英語名からPCTと略される。1970年採択、1978年発効、現在158カ国が締約国。

中文

《專利合作條約》(Patent Cooperation Treaty,PCT)以減輕各國專利局及申請人之重複勞力、使發明保護之取得更為簡易且經濟為主要目的。1970年通過,1978年生效,現有158個締約國。

第1節 基本原則と国際出願
第一節 基本原則與國際申請

保護対象は発明(1条1項)。意匠や商標は対象外(3条1項)。特許以外の出願(発明者証・実用証・実用新案・追加特許等)でも締約国が認める場合には保護を求めることができる(2条(ii)、43条)。

保護對象為發明(第1條第1項)。不包括設計或商標(第3條第1項)。特許以外之出願(發明人證書、實用證、新型、追加專利等),如締約國承認者,亦得請求保護(第2條第ii款、第43條)。

【重要用語】Important Terms / 【重要術語】— PCT制度の基本用語 / PCT制度基本術語

国際出願:所定の受理官庁に出願書類を提出することで国際出願手続きを行う。

国際調査:先行技術を発見することを目的とし、国際出願日が認められた全ての出願が国際調査の対象となる。

19条補正:国際調査報告書を受領した人は、請求の範囲について1回限り行うことができる。

国際公開:国際出願日または優先日から18カ月経過後に国際事務局により公開される。

国際予備審査:請求の範囲に記載された発明が新規性等を有するか否かについて予備的かつ拘束力のない見解を示すことを目的とする。これにより34条補正の機会を得ることができる。

34条補正:予備審査請求後、予備審査報告書が送付される前に明細書・請求の範囲・図面についての補正が複数回可能。

国内移行:指定国ごとに、原則優先日から30カ月以内に国内移行手続きを行う必要がある。国内移行手続きをしない場合は、当該国際出願はその指定国に関する出願を取下げたものとみなされる。

國際申請:向指定的受理機關提交申請文件,即可進行國際申請手續。/ 國際檢索:以發現先行技術為目的,凡被認可具有國際申請日的所有申請,均為國際檢索之對象。/ 第19條補正:收到國際檢索報告書之人,僅得對請求項進行補正,且僅限一次。/ 國際公開:自國際申請日或優先日起經過18個月後,由國際事務局予以公開。/ 國際初步審查:申請人可就請求項所記載之發明是否具有新穎性等事項,取得一項預備性且不具拘束力之意見,藉此可獲得依第34條進行補正之機會。/ 第34條補正:在提出預備審查請求後,於預備審查報告書送達之前,可就說明書、請求項及圖面進行多次補正。/ 國內移行:原則上須於優先日起30個月內,分別向各指定國辦理國內移行手續,若未辦理則視為已撤回。

(1)国際出願制度の趣旨(第3条、第11条等)
(一)國際申請制度之立法意旨(第3條、第11條等)

パリ条約の下では、優先権制度を利用しても各国ごとに定められた手続・言語により12カ月以内に出願しなければならず、時間的・経済的負担が大きい。PCTは出願形式を統一し、国際出願日を認定することで、各指定国における正規の国内出願としての効果を与える制度。

在巴黎公約體制下,縱使利用優先權制度,申請人仍須於12個月內依各國不同程序及語言分別提出申請,時間及經濟負擔仍重。PCT統一申請形式,透過認定國際申請日,使其在各指定國產生如同正規國內申請之效果。

国際出願の要件(3条)/ 國際申請之要件(第3條)

# 要件(日本語) 要件(中文)
所定の言語で作成すること以規定語言作成
所定の様式上の要件を満たすこと符合規定格式要件
所定の発明の単一性の要件を満たすこと符合發明單一性要件
所定の手数料を支払うこと(送付手数料・国際出願手数料・調査手数料)繳納規定費用(轉送費、國際申請費及調查費)
国際出願の使用言語(規則12.1(a)):日本語・英語・アラビア語・中国語・ドイツ語・韓国語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語・フランス語
(2)出願人の資格(第9条)
(二)申請人之資格(第9條)

①締約国の居住者及び国民(9条1項)②締約国において現実かつ真正の工業上または商業上の営業所を有する締約国の国内法令により設立されている法人(規則18.1(b)(i))③総会の決定によりPCT締約国ではないがパリ条約締約国である国の居住者及び国民(9条2項)。

出願人が2人以上いる場合は、少なくとも1人が資格を有していれば足りる(規則18.3)。

①締約國之居民及國民(第9條第1項);②依締約國國內法設立,且於締約國具有真實且有效之工業或商業營業所之法人(細則18.1(b)(i));③經大會決定,得提出國際申請之非PCT締約國但屬巴黎公約締約國之居民或國民(第9條第2項)。

申請人為二人以上者,至少一人具資格即可(細則18.3)。

(3)受理官庁の選択(第10条)
(三)受理局之選擇(第10條)

出願人は以下の3つのいずれかを選択する(規則19.1):①居住国の受理官庁、②国籍国の受理官庁、③国際事務局。

申請人得選擇以下之一(細則19.1):①居住國之受理局;②國籍國之受理局;③國際事務局。

第2節 国際出願日の認定と欠陥
第二節 國際申請日之認定與缺陷

国際出願日認定の要件(11条)7つの要件 / 國際申請日認定之要件(第11條):7項要件

# 要件(日本語) 要件(中文)
国際出願をする資格具國際申請資格
所定の言語以規定語言
国際出願をする意思具提出國際申請之意思
締約国の指定指定締約國
出願人の氏名又は名称の所定の表示申請人姓名或名稱之所定表示
明細書說明書
請求の範囲申請專利範圍

補充した場合:補充の受理の日を国際出願日とする。
補充しない場合:国際出願日として取り扱わないことを出願人に通知(規則20.7、20.4(i))。
補充期間:補充の求めの日から2カ月以内(規則20.5(a)、20.7)。
国際出願日は一旦認定されると取り消されることはない。

補正者:以補正文件受理日為國際申請日。
未補正者:通知不予認定為國際申請日(細則20.7、20.4(i))。
補正期間:自補正通知日起2個月內(細則20.5(a)、20.7)。
國際申請日一經認定,不得撤銷。

(1)国際出願の欠陥(第14条)
(一)國際申請之缺陷(第14條)

受理官庁は欠陥を点検し、欠陥がある場合は補充命令を発する。補充がされない場合は国際出願は取下げ擬制となる(14条1項(b))。

点検項目:①署名 ②出願人 ③発明の名称 ④要約 ⑤様式上の要件

補充命令を出すのは国際出願の受理の時から1カ月以内が望ましい(規則26.1)。補充命令に対する応答時期は補充の求めの日から2カ月(規則26.2)。

受理局應檢查缺陷,並於有缺陷時發出補正命令;未補正者,視為撤回(第14條第1項(b))。

點檢事項:①簽名 ②申請人 ③發明名稱 ④摘要 ⑤形式要件

發出補充命令宜自國際申請受理之日起一個月內為宜(規則26.1)。對補充命令之回應期限,自補充請求之日起算二個月(規則26.2)。

⚠ 国際出願が取り下げられる3つのケース / 視為撤回之三種情形

①補充命令に応じない場合(14条1項(b))/ 未依補正命令補正(第14條第1項(b))

②所定手数料の不払い(14条3項)/ 未繳納規定費用(第14條第3項)

③所定期間内に国際出願日要件(11条)を欠いていた場合(14条4項)/ 未於期間內補具第11條要件(第14條第4項)

第3節 国際調査制度
第三節 國際檢索制度

国際調査制度とは、国際出願の請求の範囲に記載された発明に関連のある先行技術の発見を目的として、管轄国際調査機関が調査を行う制度(15〜19条等)。各国特許庁の重複した先行技術調査労力を軽減することを目的とする。国際調査は、国際調査機関が行い、①国内官庁②政府間機関とする。

國際檢索制度係以發現國際申請之請求專利範圍所載發明相關先前技術為目的,由主管之國際調查機關進行檢索之制度(第15至19條等),旨在減輕各國專利局之重複先前技術檢索負擔。國際檢索由國際檢索機構進行,可為①國內主管機關②政府間機構。

項目 / 項目 内容(日本語) 內容(中文)
目的(15条2項) 関連のある先行技術を発見すること 發現與發明相關之先前技術
対象(規則33.1) 国際出願日前に公衆に利用可能にされた書面による開示 國際申請日前已可供公眾利用之書面公開資料
最低限度調査 国内特許文献・公開PCT申請・非特許文献等(規則34) 國內專利文獻、公開之PCT申請、非專利文獻等(細則34)
審査基準 請求の範囲に基づいて実施(15条3項) 依據請求範圍進行(第15條第3項)
報告期限(規則42.1) 検索用副本受理日から3カ月以内、または優先日から9カ月以内のいずれか遅い方 收到檢索用副本之日起3個月內,或自優先日起9個月內,以較遲屆滿者為準
⚠ 国際調査報告が作成されない場合(17条2項(a))/ 不作成國際檢索報告之情形

①規則に従い調査不要と認定・決定した場合 / 認定依細則規定無須進行檢索者

②明細書・請求の範囲・図面が有意義な調査が可能な法定要件を満たさない場合 / 說明書、請求範圍或圖式未達足以進行有意義檢索之法定要件者

【重要用語】Important Term / 【重要術語】— 国際調査見解書 / 國際檢索意見書

国際調査機関が作成し(規則43の2.1)、作成時期は国際調査報告と同時(規則43の2.1(a))。同一機関によって国際調査と国際予備審査が行われるとき、国際調査見解書は国際予備審査における最初の見解とみなされる(規則66.1の2(a))。

国際調査報告との大きな違い:国際調査報告は先行文献のリストに過ぎないのに対し、見解書は新規性等の判断が示されている。また国際調査報告書は国際公開の対象となるが、国際調査見解書は公開されない(秘密保持・規則44の3.1(a))。

由國際檢索機構製作(規則43之2.1),製作時機與國際檢索報告同時進行(規則43之2.1(a))。與國際檢索報告的主要差異在於,國際檢索報告僅為先行文獻列表,而意見書則會提出關於新穎性等之判斷。國際檢索報告會公開於國際,但國際檢索意見書不予公開(保密規定,規則44之3.1(a))。

(1)第19条補正:請求の範囲の補正
(一)第19條補正:請求範圍之補正

出願人は国際調査報告受理後、規定期間内に国際事務局に対して請求の範囲を一度だけ補正することができる(19条1項)。

第34条との違い:第34条では請求の範囲・明細書・図面の複数回補正が可能。

申請人於收到國際檢索報告後,可於規定期間內向國際事務局提交補正書,對請求範圍進行一次性補正(第19條第1項)。

與第34條之差異:第34條得對請求範圍、說明書及圖式進行多次補正。

第4節 国際公開制度
第四節 國際公開制度

国際事務局は原則として優先日から18カ月後に国際申請の内容を公開する(21条)。撤回・保留申請は原則として公開しないが、公開請求があれば公開する。

公開内容(規則48.2):説明書・請求の範囲・図面・国際調査報告・第19条補正等。

注意:国際調査見解書及び国際予備審査報告は国際公開の対象外。

國際事務局原則於優先日起18個月後公開國際申請之內容(第21條)。撤回或保留之申請原則不公開,但如提出公開請求則仍公開。

公告內容(細則48.2):說明書、請求範圍、圖式、國際檢索報告、第19條補正等。

注意:國際檢索見解書及國際初步審查報告不屬國際公開對象。

【重要用語】Important Term / 【重要術語】— 国際公開の効果 / 國際公開之效果

国際公開の効果のひとつに、拡大出願や補償金請求権の成立がある。拡大出願の場合は国際公開だけで足りるが、補償金請求権を行使する場合には、国際公開の後、国内での公表も必要になる。

國際公開的效果之一,包括抵觸申請及補償金請求權的成立。對於擴展申請而言,僅需國際公開即可;但若要行使補償金請求權,則在國際公開後,亦需在國內公開。

第5節 国際予備審査制度
第五節 國際初步審查制度

国際予備審査制度とは、国際予備審査機関(IPEA)が申請人の請求に基づき、請求の範囲に記載された発明について新規性・進歩性・産業上の利用可能性に関する初歩的かつ拘束力のない意見を示す制度(33条1項等)。

國際初步審查制度係指國際初步審查機關(IPEA)應申請人之請求,對請求範圍中所述發明就其新穎性、進步性及產業利用可能性,提出初步性且無拘束力意見之制度(第33條第1項等)。

国際調査制度 vs 国際予備審査制度 比較 / 國際檢索制度 vs 國際初步審查制度 比較

項目 / 項目 国際調査 / 國際檢索 国際予備審査 / 國際初步審查
目的 先行技術の発見 / 發現先行技術 新規性等についての初歩的・非拘束的意見 / 關於新穎性等之初步、非拘束性意見
使用者 全PCT申請人 / 全部PCT申請人 PCT第2章拘束締約国の居住者・国民 / PCT第2章拘束締約國之居住者或國民
対象 全国際出願 / 所有國際申請 請求があった出願のみ / 僅限有請求之申請
補正 請求の範囲のみ・1回(19条)/ 僅限請求項・一次(第19條) 請求の範囲・明細書・図面、複数回可(34条)/ 請求項、說明書、圖紙,可多次(第34條)
国際公開 対象となる / 適用 対象とならない / 不適用
送達先 申請人及び国際事務局→指定主管局 / 申請人及國際事務局→指定主管局 申請人及び国際事務局→選定主管局 / 申請人及國際事務局→選定主管局
⚠ 重要:国際予備審査報告の性質 / 重要:國際初步審查報告之性質

国際予備審査報告は、請求の範囲に記載された発明が当該国の法律によりいかなる特許を受けられるかに関する記載をすることができない(35条2項3項)。あくまで初歩的かつ拘束力のない意見であり、各国の最終判断は各国国内法による。

國際初步審查報告不得載明任何關於請求範圍所記載發明是否可依任何國內法律獲得專利之陳述(第35條第2項第3項)。僅為初步性且無拘束力之意見,各指定國之最終判斷依各國國內法規定。

第19条補正 vs 第34条補正 詳細比較 / 第19條補正 vs 第34條補正 詳細比較

項目 第19条補正 / 第19條補正 第34条補正 / 第34條補正
補正できる者 国際調査報告を受け取った出願人(19条(1)) 国際予備審査の請求をした出願人(34条(2)(b))
補正の対象 請求の範囲のみ(19条(1)) 請求の範囲、明細書及び図面(34条(2)(b))
補正の回数 1回に限られる(19条(1)) 回数に制限なし(34条(2)(b))
補正の範囲 原則として出願時の開示範囲を超えられない(19条(2))、例外あり(19条(3)) 原則として出願時の開示範囲を超えられない(34条(2)(b))
補正の時期 国際調査報告の送付日から2カ月、または優先日から16カ月のいずれか遅い方(規則46.1) 国際予備審査報告書が作成される前の所定期間内(34条(2)(b)、規則66.1)
提出先 国際事務局(19条(1)) 国際予備審査機関(34条)
国際公開の対象 なる(規則48.2(f)) ならない
補正の効果 一の手続で各指定国での補正の効果(最終判断は各国国内法) 一の手続で各選択国での補正の効果(最終判断は各国国内法)
PCT制度の全体構造 / PCT制度之整體架構
出願人・各国特許庁の重複労力の軽減 減輕申請人及各國專利局的重複勞動負擔
技術情報の集中と拡散 促進技術資訊的集中與擴散 技術情報提供業務
優先日から18カ月後に公開(21条) 自優先日起18個月後公開(第21條) 国際調査見解書・予備審査報告は公開対象外
拘束力のない初歩的意見(非強制) 34条補正の機会(複数回・全書類対象) 開発途上国への技術援助
⭐ 試験頻出:PCT制度の重要ポイント / 考試重點:PCT制度重要考點
  • PCTは特許を付与する制度ではなく、出願手続を統一・簡易化する条約 / PCT並非授予專利之制度,而係統一及簡化申請程序之條約
  • 国際出願日認定の7要件(11条):①資格 ②言語 ③意思 ④指定 ⑤氏名 ⑥明細書 ⑦請求の範囲 / 國際申請日認定之7項要件(第11條):①資格②語言③意思④指定⑤姓名⑥說明書⑦請求範圍
  • 第19条補正:請求の範囲のみ・1回・国際事務局へ提出・国際公開の対象 / 第19條補正:僅請求範圍・1次・向國際事務局提出・屬國際公開對象
  • 第34条補正:全書類(請求範囲・明細書・図面)・複数回・国際予備審査機関へ提出・国際公開の対象外 / 第34條補正:全文件・多次・向國際初步審查機構提出・不屬國際公開對象
  • 国際公開は優先日から18カ月後(21条)、国際予備審査報告は公開対象外 / 國際公開於優先日後18個月(第21條),國際初步審查報告不屬公開對象
  • 国内移行:原則、優先日から30カ月以内(移行しない場合は出願取下げ擬制)/ 國內移行:原則優先日起30個月內(未辦理視為撤回)
当ウェブサイトに掲載されている情報は参考用として作成したものです。内容の正確性・完全性および最新性を保証するものではありません。ご利用に際して生じた損害やトラブルについて、当方は一切の責任を負いかねます。ご利用の際は、必ずご自身で内容をご確認ください。
本網站所刊載之資訊係為參考用途而製作,對於內容之正確性、完整性及即時性不作任何保證。對於使用該等資訊所導致的任何損害或糾紛,本網站恕不負任何責任。使用時請務必自行加以確認。

Copyright © 2026 shirae. All rights reserved.