【判例研究】エマックス(eMax)事件

【判例研究】エマックス(eMax)事件

日本最高裁判所第三小法庭 平成27年(受)第1876號 平成29年2月28日判決(民集71卷2號221頁)

【判例研究】eMax事件(エマックス事件)

商標無效抗辯除斥期間之限制及權利濫用抗辯之獨立適用——「eMax抗辯」之確立

一、緒論:本判決處理之雙重法律問題

eMax(エマックス事件)係日本最高法院就商標權侵害訴訟中,當事人如何透過抗辯爭執商標權效力之方法,首次提出具體且體系化判斷之重要判例。本案之特色在於,其同時涉及商標法上之商標無效制度與民法上權利濫用法理之關係,亦即兩項彼此相關但法律性質完全不同之法律問題。第一項問題,係商標法第47條所規定之除斥期間與「無效抗辯」之關係。日本商標法第47條規定,就第4條第1項第10款所定與他人在先周知商標有致生混淆之虞等一定之無效事由,自商標權設定註冊之日起經過五年後,即不得再請求宣告該商標註冊無效。因此,本案所爭議者在於,即使已逾除斥期間,商標權侵害訴訟之被告是否仍得依商標法第39條準用專利法第104條之3所規定之「無效抗辯」(即學說上所稱將「Kilby抗辯」類推適用於商標法之法理),主張商標權本應無效,而否定商標權之行使。第二項問題,則係即使因除斥期間經過而不得主張無效抗辯,是否仍得依民法上權利濫用法理,限制商標權人之權利行使。換言之,當商標法已限制當事人主張商標無效時,此一限制是否亦當然排除民法上權利濫用抗辯之適用,抑或二者屬於不同之法律制度,仍得各自獨立適用,即成為本案之核心爭點。本判決明確區分無效抗辯與權利濫用抗辯係法律依據及制度功能均不相同之兩項制度,並分別提出其適用範圍及判斷標準。因此,本判決一方面維持商標法除斥期間制度之立法目的,另一方面亦承認於例外情形下,仍得依民法權利濫用法理限制商標權之行使,建立了兩項制度並存之判斷架構。此一法理其後被學說稱為「eMax抗辯(エマックス抗辯)」,並成為日本商標法上具有重要指導意義之代表性判例。

二、事實關係

當事人及糾紛背景

本訴原告(反訴被告,即被上告人)自平成6年(1994年)起,即作為美國企業eMax公司所製造電子瞬間熱水器(本件熱水器)之日本獨家銷售代理商,使用「エマックス」「EaMax」等標識,於日本國內銷售本件熱水器。另一方面,本訴被告(反訴原告,即上告人)係設立於平成15年(2003年)左右之企業,同樣使用「エマックス」「EaMax」等標識,於日本國內銷售本件熱水器,惟其所銷售之product,大部分係透過平行輸入等管道,自被上告人以外之來源取得。上告人原係預定成為被上告人之代理商而設立,惟因設立經過等因素,雙方發生爭執,並歷經數次訴訟及訴訟上和解(平成19年第一次和解、平成23年第二次和解),惟上告人其後仍持續使用「エマックス」商標名稱。

本訴及反訴之提起

被上告人以上告人之商標使用行為構成不正競爭防止法第2條第1項第1款所定之著名表示混淆惹起行為為由,提起本訴請求差止;上告人則以其註冊商標(平成17年、平成22年分別註冊)為基礎,提起反訴,主張被上告人之行為構成商標權侵害。被上告人就上告人之反訴,提出商標法第4條第1項第10號之無效抗辯(商標法第39條準用特許法第104條之3第1項),主張上告人之商標註冊,因與被上告人先使用之周知商標構成類似而應予無效,故上告人不得對被上告人行使該商標權。

三、爭點之整理

爭點內容
① 除斥期間經過後無效抗辯之可否就商標法第4條第1項第10號所定之無效事由,於商標法第47條所定5年除斥期間經過後,商標權侵害訴訟之相對人得否仍主張商標法第39條準用特許法第104條之3之無效抗辯?
② 權利濫用抗辯之獨立適用可能性縱認無效抗辯因除斥期間經過而不得主張,相對人得否另行援引一般性之權利濫用法理,主張商標權人之權利行使應予否准?

四、最高法院之判斷

(一)除斥期間經過後之無效抗辯——否定

【要旨】商標法第4條第1項第10號該當為理由之商標註冊無效審判,未經請求而使商標權設定登錄日起5年經過後,除該商標註冊係以不正競爭之目的取得者外,商標權侵害訴訟之相對人,不得以該註冊商標該當同款規定所生之商標註冊無效理由,主張本件規定所涉之抗辯。

最高法院首先援引バレンチノ事件最高裁判決(平成17年7月11日判決)所揭示之見解,闡明商標法第47條第1項所定5年除斥期間之規範意旨,在於商標註冊之無效審判未經請求而經過除斥期間時,為保護因商標註冊而生之既存繼續性狀態,使商標註冊之有效性不得再事爭執。基此,最高法院進一步指出:倘商標法第39條準用特許法第104條之3所定之無效抗辯,於除斥期間經過後仍得主張,則商標權人縱使提起商標權侵害訴訟,亦將因相對人主張此一抗辯,而無從行使自身之權利,如此一來,商標法第47條第1項為保護既存繼續性狀態所設之前開規範意旨,即遭實質掏空。基此,最高法院明確採取限制說之立場,認定除斥期間經過後,不得主張本件規定所涉之無效抗辯。

(二)權利濫用抗辯之獨立肯認——積極說之採用

惟最高法院並未就此為本案劃下句點,而係進一步指出:縱使除斥期間經過後不得主張前開無效抗辯,惟相對人仍得就商標權人之權利行使,另行主張構成權利濫用。具體而言,就本件而言,倘上告人之註冊商標,因與被上告人自身業務所使用而於需求者間廣泛認識之商標相類似,而該當商標法第4條第1項第10號規定之情形,則被上告人對上告人行使本件商標權,即可能構成權利濫用,此一抗辯之主張,不因除斥期間之經過而受影響,亦不問該商標註冊是否係以不正競爭之目的取得。基此,最高法院將本案發回原審,命就此一權利濫用抗辯所涉之相關事實關係,為進一步之審理。

值得注意者,最高法院於論證權利濫用抗辯之基礎時,援引之先例為POPEYE圍巾事件最高裁判決(平成2年7月20日判決),而未特別提及キルビー事件最高裁判決,此一先例援引之選擇,實質上意味著本判決並未將權利濫用抗辯成立之基礎事實,限定於商標註冊本身之無效理由,而係採取更為開放之立場——即縱使於商標法第4條第1項第10號所定權利濫用抗辯不成立之情形,仍得進一步考量上告人與被上告人間之關係、過往訴訟之經過等其他一切情事,綜合判斷是否構成權利濫用,此一開放性立場,於最高法院判決之補充意見中,獲得進一步之闡明及支持。

五、本判決之法理意義

1 「無效抗辯」與「權利濫用抗辯」二軌並存架構之確立

本判決最重要之理論貢獻,在於明確區辨商標法第39條準用特許法第104條之3所生之「無效抗辯」,與民法上一般性之「權利濫用抗辯」,二者雖均可能導致商標權人權利行使遭否准之相同實質結果,惟其法律構成、適用要件及除斥期間之限制效力,截然不同——無效抗辯因商標法第47條除斥期間規定之限制,於期間經過後即不得主張;權利濫用抗辯則屬獨立之民法上一般法理,不受前開除斥期間規定之拘束,此一二軌並存架構之確立,學說上稱之為「エマックス抗辯」,構成日本商標法上處理無效理由與權利濫用關係之基礎判準。

2 與キルビー事件法理之關係——類推適用之限制

本判決一方面延續キルビー事件判決以降,日本智慧財產法上就「無效理由」與「權利行使」關係所發展之權利濫用法理脈絡,惟另一方面,就商標法特有之除斥期間制度,明確劃定其類推適用之界限——即無效抗辯本身,不得透過權利濫用之構成,規避除斥期間規定之適用限制,此對維持商標法第47條除斥期間制度之規範實效性,具有重要意義。

最高裁判所第三小法廷 平成27年(受)第1876号 平成29年2月28日判決(民集71巻2号221頁)

【判例研究】エマックス(eMax)事件

商標無効の抗弁の除斥期間による制限と権利濫用の抗弁の独立した適用——「エマックス抗弁」の確立

一、緒論:本判決が扱う二重の法律問題

エマックス事件は、日本最高裁判所が、商標権侵害訴訟において商標権の効力を争うための抗弁方法について、体系的な判断を示した重要判例である。本件の特徴は、商標法上の無効制度と民法上の権利濫用法理との関係という、相互に関連しながらも法的性質を異にする二つの問題を同時に扱った点にある。第一の問題は、商標法第47条が定める除斥期間と「無効の抗弁」との関係である。商標法第47条は、第4条第1項第10号に規定する他人の周知商標との混同のおそれなど一定の無効理由について、商標登録の日から5年間の除斥期間を設けており、この期間を経過すると商標登録の無効審判を請求することができない。そこで問題となったのは、除斥期間経過後であっても、商標権侵害訴訟の被告が、商標法第39条が準用する特許法第104条の3に基づく「無効の抗弁」(いわゆるキルビー抗弁を商標法に適用した法理)を主張し、商標権の行使を否定することができるかという点である。第二の問題は、除斥期間の経過によって無効の抗弁が許されない場合であっても、なお民法上の権利濫用の法理に基づき、商標権者による権利行使を制限することができるかという問題である。すなわち、商標法が無効主張を制限している場合であっても、そのことが直ちに民法上の権利濫用の抗弁まで排除する趣旨であるのか、それとも両者は異なる制度として独立して適用され得るのかが争点となった。 本判決は、無効の抗弁と権利濫用の抗弁とは法的根拠及び機能を異にする制度であることを明確に区別した上で、それぞれの適用範囲について判断基準を示した。その結果、本判決は、商標法における除斥期間の制度趣旨を維持しつつ、例外的に民法上の権利濫用法理による権利行使の制限を認める判断枠組みを確立したものとして評価されており、後に「エマックス抗弁」と称される法理の出発点となった重要判例として位置付けられている。

二、事実関係

当事者及び紛争の背景

本訴原告(反訴被告、被上告人)は平成6年(1994年)頃から、アメリカ企業エマックス社が製造する電子瞬間湯沸器(本件湯沸器)の日本における独占的販売代理店として、「エマックス」「EaMax」等の標章を使用し、本件湯沸器を日本国内で販売してきた。他方、本訴被告(反訴原告、上告人)は平成15年(2003年)頃に設立された企業であり、同じく「エマックス」「EaMax」等の標章を使用して、本件湯沸器を日本国内で販売してきたが、その販売する製品の大部分は、並行輸入品等を通じて被上告人以外の者から仕入れたものであった。上告人は元々、被上告人の代理店となることを想定して設立された会社であったが、その設立の経緯等をめぐって被上告人との間に紛争が生じ、複数回の訴訟及び訴訟上の和解(平成19年の第一次和解、平成23年の第二次和解)を経たが、上告人はその後も「エマックス」の商標名称の使用を継続した。

本訴及び反訴の提起

被上告人は、上告人の商標使用行為が不正競争防止法第2条第1項第1号所定の周知表示混同惹起行為に該当するとして本訴の差止めを求め、上告人はその登録商標(平成17年、平成22年にそれぞれ登録)に基づき反訴を提起し、被上告人の行為が商標権侵害を構成すると主張した。被上告人は上告人の反訴に対し、商標法第4条第1項第10号による無効の抗弁(商標法第39条が準用する特許法第104条の3第1項)を提出し、上告人の商標登録は被上告人が先に使用していた周知商標と類似することにより無効とされるべきものであり、したがって上告人は被上告人に対し当該商標権を行使することができないと主張した。

三、争点の整理

争点内容
① 除斥期間経過後の無効の抗弁の可否商標法第4条第1項第10号所定の無効理由について、商標法第47条所定の5年の除斥期間経過後において、商標権侵害訴訟の相手方はなお商標法第39条が準用する特許法第104条の3の無効の抗弁を主張することができるか。
② 権利濫用の抗弁の独立した適用可能性無効の抗弁が除斥期間の経過により主張できないとしても、相手方は改めて一般的な権利濫用の法理を援用し、商標権者の権利行使が否定されるべきことを主張することができるか。

四、最高裁判所の判断

(一)除斥期間経過後の無効の抗弁——否定

【要旨】商標法第4条第1項第10号該当を理由とする商標登録の無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後においては、当該商標登録が不正競争の目的で受けたものである場合を除き、商標権侵害訴訟の相手方は、その登録商標が同号に該当することによる商標登録の無効理由の存在をもって、本件規定に係る抗弁を主張することが許されない。

最高裁判所はまず、バレンチノ事件最高裁判決(平成17年7月11日判決)が示した見解を援用し、商標法第47条第1項所定の5年の除斥期間の規範趣旨は、商標登録の無効審判が請求されることなく除斥期間が経過したときに、商標登録がされたことにより生じた既存の継続的な状態を保護するために、商標登録の有効性を争い得ないものとしたことにあると解した。これに基づき最高裁判所はさらに次のとおり指摘した。すなわち、商標法第39条が準用する特許法第104条の3所定の無効の抗弁が、除斥期間の経過後においてもなお主張しうるとするならば、商標権者は商標権侵害訴訟を提起しても、相手方からこの抗弁を主張されることによって自らの権利を行使することができなくなり、このようにして商標法第47条第1項が既存の継続的な状態の保護のために設けた前記の規範趣旨は実質的に没却されることとなる。これに基づき最高裁判所は明確に制限説の立場を採り、除斥期間の経過後は、本件規定に係る無効の抗弁を主張することは許されないと認定した。

(二)権利濫用の抗弁の独立した肯定——積極説の採用

もっとも最高裁判所は、これをもって本件に終止符を打つのではなく、さらに次のとおり指摘した。すなわち、除斥期間の経過後において前記の無効の抗弁を主張することができないとしても、相手方は商標権者の権利行使について、改めて権利濫用を構成するとの主張をすることができる。具体的には、本件について、上告人の登録商標が、被上告人自身の業務に係る商品等を表示するものとして需要者の間に広く認識された商標と類似することにより、商標法第4条第1項第10号に該当する場合には、被上告人が上告人に対し本件商標権を行使することは権利の濫用に該当しうる。この抗弁の主張は、除斥期間の経過によって影響を受けるものではなく、また当該商標登録が不正競争の目的で受けたものであるか否かをも問わない。これに基づき最高裁判所は本件を原審に差し戻し、この権利濫用の抗弁に関わる事実関係についてさらなる審理を命じた。

注目すべきは、最高裁判所が権利濫用の抗弁の基礎を論証するに当たり援用した先例が、POPEYEマフラー事件最高裁判決(平成2年7月20日判決)であり、キルビー事件最高裁判決には特に言及していない点である。この先例援用の選択は、実質的に本判決が権利濫用の抗弁が成立する基礎事実を、商標登録そのものの無効理由に限定するものではなく、より開放的な立場を採用したことを意味する——すなわち、たとえ商標法第4条第1項第10号所定の権利濫用の抗弁が成立しない場合であっても、なお上告人と被上告人との関係、過去の訴訟の経緯等その他一切の事情を考慮して、権利濫用を構成するか否かを総合的に判断しうるのであり、この開放的な立場は、最高裁判決の補足意見においてさらに明らかにされ、支持されている。

五、本判決の法理的意義

1 「無効の抗弁」と「権利濫用の抗弁」の二本立て構造の確立

本判決の最も重要な理論的貢献は、商標法第39条が準用する特許法第104条の3から生じる「無効の抗弁」と、民法上の一般的な「権利濫用の抗弁」とを明確に区別した点にある。両者はいずれも商標権者の権利行使が否定されるという同一の実質的結果をもたらしうるものではあるが、その法律構成、適用要件及び除斥期間による制限の効力は全く異なる——無効の抗弁は商標法第47条の除斥期間規定による制限を受け、期間経過後は主張することができないのに対し、権利濫用の抗弁は民法上の一般法理として独立したものであり、前記除斥期間規定の拘束を受けない。この二本立て構造の確立は、学説上「エマックス抗弁」と呼ばれ、日本商標法における無効理由と権利濫用との関係を処理するための基礎的な判断基準を構成している。

2 キルビー事件の法理との関係——類推適用の限界

本判決は一方で、キルビー事件判決以降、日本知的財産法において「無効理由」と「権利行使」との関係について発展してきた権利濫用の法理の系譜を継承するものであるが、他方で、商標法に特有の除斥期間制度について、その類推適用の限界を明確に画定した。すなわち、無効の抗弁それ自体は、権利濫用の構成を通じて除斥期間規定の適用制限を回避することはできないのであり、これは商標法第47条の除斥期間制度の規範的実効性を維持する上で、重要な意義を有する。



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