【判例研究】雪月花事件

【判例研究】雪月花事件

東京高等法院 平成11年(ネ)第5641號 平成14年2月18日判決

【判例研究】雪月花事件

附帶入鏡書法作品之複製該當性——美術著作物「美的要素直接感受可能性」判斷基準

一、緒論:附帶性利用問題之特殊性

隨攝影、錄影等紀錄媒介之普及,日常生活及商業活動中,經常發生美術著作物、書法作品等,並非攝影之主要拍攝對象,惟因其恰位於拍攝場景之中,而附帶性地被攝入影像之情形(例如室內設計照片中恰巧攝入牆上懸掛之字畫)。此等情形下,該附帶入鏡之美術著作物,是否因此遭「複製」,從而構成對其著作權人複製權之侵害,即成為著作權法上饒富趣味之難題。雪月花事件即係圍繞此一問題,就攝影所攝入之書法作品,其美術性特徵是否因攝影解析度、呈現方式等因素,而未能被有效「複製」再現,為具體判斷之重要先例。

二、事實關係

本件被告經營照明器具事業,其產品型錄中刊載一幀模型屋和室之照片,該照片背景中,恰巧攝入懸掛於床之間(日式房間內凹處,用以擺放裝飾品或掛軸之空間)之一幅書法掛軸作品「雪月花」。該書法作品之著作權人(原告,書法家)主張,被告未經其同意,將攝有其書法作品之照片刊載於商業型錄,構成對其著作權(複製權)之侵害,訴請損害賠償。

三、爭點

本件之核心爭點為:型錄照片中,附帶攝入之書法掛軸影像,其解析度及呈現方式,是否已達使一般觀者得以認識、感受該書法作品美術性表現特徵(即該作品之創作性表現本身)之程度,從而該當著作權法上之「複製」?

四、東京高等法院之判斷

【要旨】書法作品作為美術著作物,其著作物性所依附之美的要素,在於線條之美感與微妙變化、運筆之緩急與抑揚頓挫、墨色之濃淡變化、及筆勢之力道等要素;型錄照片中攝入之書法掛軸影像,因攝影角度、解析度及印刷品質等因素之限制,一般觀者實難以由該照片直接感受、認識前開書法作品所依附之美的要素本身,故該照片就系爭書法作品部分,不該當著作權法上之複製。

東京高等法院之論理核心,在於將美術著作物複製該當性之判斷,與著作物性判斷本身之基準相互勾稽——書法作品之所以能作為美術著作物受保護,其創作性所依附之要素,並非文字內容本身(文字內容通常屬公共領域之既有詞語),而係前開線條、運筆、墨色、筆勢等純粹視覺、美感性之表現要素;型錄照片中攝入之書法掛軸,因其僅係整體室內裝潢畫面之附帶背景元素,攝影解析度及呈現比例均不足以清晰呈現前開美的要素之細節,一般觀者觀覽該照片時,僅能辨識該處懸掛有一幅書法作品此一事實,而無從具體感受、認識該作品之創作性表現本身,此與著作權法所稱之「複製」,須以足以使人認識其內容及形式(即創作性表現本身)之方式為有形再製,尚有未合,故不構成複製。

東京高等裁判所 平成11年(ネ)第5641号 平成14年2月18日判決

【判例研究】雪月花事件

写り込んだ書作品の複製該当性——美術の著作物における「美的要素の直接感得可能性」の判断基準

一、緒論:付随的利用の問題の特殊性

写真、映像等の記録媒体の普及に伴い、日常生活及び商業活動において、美術の著作物や書の作品等が、写真撮影の主たる被写体ではないものの、たまたま撮影場面の中に位置していたために、付随的に画像に写り込むという事態がしばしば生じる(例えば室内デザインの写真に、たまたま壁に掛けられた書画が写り込む場合等)。このような場合において、この付随的に写り込んだ美術の著作物が、これによって「複製」されたことになり、その著作権者の複製権を侵害することになるのか否かは、著作権法上、興味深い難問である。雪月花事件は、まさにこの問題をめぐって、写真に写り込んだ書の作品について、その美術的な特徴が、撮影の解像度や表現の仕方等の要因により、有効に「複製」・再現されているとはいえないか否かについて、具体的な判断を示した重要な先例である。

二、事実関係

本件被告は照明器具事業を営んでおり、そのカタログに、モデルハウスの和室を撮影した写真が掲載されていた。この写真の背景に、たまたま床の間(和室内の凹んだ空間で、装飾品や掛け軸を置くための空間)に掛けられていた「雪月花」という書の掛け軸作品が写り込んでいた。この書の作品の著作権者(原告、書家)は、被告が自己の同意を得ることなく、自己の書の作品が写り込んだ写真を商業カタログに掲載したことが、自己の著作権(複製権)を侵害するものであると主張し、損害賠償を求めて提訴した。

三、争点

本件の核心的な争点は、カタログの写真の中に付随的に写り込んだ書の掛け軸の画像が、その解像度及び表現の仕方において、一般の観者がその書の作品の美術的な表現特徴(すなわち当該作品の創作的表現それ自体)を認識し、感得することができる程度に達しており、これにより著作権法上の「複製」に該当するか否かという点にある。

四、東京高等裁判所の判断

【要旨】書の作品は美術の著作物として、その著作物性の基礎となる美的要素は、線の美しさと微妙な変化、運筆の緩急と抑揚、墨色の濃淡の冴えと変化、及び筆の勢いといった要素にあるところ、カタログの写真に写り込んだ書の掛け軸の画像は、撮影の角度、解像度及び印刷の品質等の制約により、一般の観者がこの写真から前記の書の作品の基礎となる美的要素それ自体を直接感得し、認識することは困難であるから、当該写真は係争の書の作品の部分について、著作権法上の複製には該当しない。

東京高等裁判所の論理の核心は、美術の著作物の複製該当性の判断を、著作物性判断そのものの基準と相互に連関させた点にある。書の作品が美術の著作物として保護され得るのは、その創作性の基礎となる要素が、文字の内容それ自体(文字の内容は通常公共の領域に属する既存の語である)ではなく、前記の線、運筆、墨色、筆の勢い等の純粋に視覚的・美的な表現要素にあるためである。カタログの写真に写り込んだ書の掛け軸は、それが室内装飾全体の写真の付随的な背景要素にすぎず、撮影の解像度及び表現の比率が、前記の美的要素の細部を鮮明に表現するには足りないものであった。一般の観者がこの写真を見た場合、そこに書の作品が掛けられているという事実を識別することはできても、当該作品の創作的表現それ自体を具体的に感得し、認識することはできない。これは著作権法上いう「複製」——その内容及び形式(すなわち創作的表現それ自体)を認識させるに足りる方法で有形的に再製すること——には合致しないものであり、したがって複製を構成しないとした。



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