【判例研究】三島由紀夫書簡事件

【判例研究】三島由紀夫書簡事件

東京高等法院 平成11年(ネ)第5511號 平成12年5月23日判決(最高裁平成12年11月9日裁定駁回上告確定)

【判例研究】三島由紀夫書簡事件

私人書信之著作物性及死後人格利益之保護——著作權法第60條公表權存續保護之適用

一、緒論:私信著作物性及死後人格保護之交錯難題

三島由紀夫書簡事件,係日本代表性小說家三島由紀夫(本名・平岡公威)生前寄送予友人之私人書信,在作者死亡後,未經本人或繼承人同意而遭出版,因而引發著作權及著作者人格權保護範圍爭議之重要判例。本案之特色在於,其並非僅涉及私人書信未經授權出版所造成之著作權侵害問題,而是進一步提出著作權法上「著作物」概念,以及著作者死亡後人格利益保護等兩項基本法律問題。第一項問題,係私人書信是否得作為著作權法上之「著作物」受到保護之問題。私人書信原本係以特定相對人間之個人意思溝通為目的所製作,其性質不同於預定向一般社會公開之文學作品或論文。然而,即使屬於私人書信,只要其中包含書寫者思想或感情之創作性表達,即可能符合日本著作權法第2條第1項第1號所稱之「著作物」,並受到著作權之保護。因此,本案所涉及之核心問題在於,即使書簡係作為私人通信工具所製作,但若其內容或表達形式具有創作性,是否仍應屬於著作權保護之對象。第二項問題,則涉及著作者死亡後人格利益之保護。著作者人格權係與著作者人格密切相關之權利,依著作權法之規定,原則上於著作者死亡後即不再存續。然而,日本著作權法第60條為了在著作者死亡後仍於一定範圍內保護其人格利益,禁止對於著作者生存時可能構成著作者人格權侵害之行為。因此,對於著作者生前未曾公開之私人書信,若第三人未取得繼承人等相關權利人之同意而予以公開,該行為是否不僅構成著作財產權中重製權之侵害,同時亦構成著作權法第60條所保護之死後人格利益,尤其是與公表權相關利益之侵害,即成為本案之重要爭點。本判決確認,即使私人書信,只要具備一定程度之創作性,仍可作為著作物受到保護;同時亦闡明,即使著作者死亡後,對於未公開著作物之公開決定所涉及之人格利益,在一定範圍內仍受到法律保護。因此,本案對於探討私人領域之表達活動與著作權保護之關係,以及著作者人格權死後保護之制度設計,在日本著作權法上具有重要意義,並被定位為相關問題之重要判例。

二、事實關係

本件被告Y1為出版社,被告Y2為該出版社第一出版局局長,被告Y3則為書籍「三島由紀夫・剣と寒紅」(本件書籍)之執筆者。Y3將三島由紀夫生前致其本人之15封未公開私人書信(本件各書信),全文刊載於本件書籍之中。原告(被上訴人)等人為三島由紀夫之法定繼承人,主張:其一,Y等人之刊載行為,侵害其等自三島由紀夫繼承取得之著作權(複製權);其二,倘三島由紀夫仍在世,該等書信之公開行為,將構成對其公表權之侵害,此等死後人格利益,依著作權法第60條規定,仍應予以保護。原告訴請停止本件書籍之出版、販賣,並請求損害賠償及採取回復名譽之適當措施(如刊登謝罪廣告)。Y等人則抗辯:其一,書信性質上不具著作物性;其二,縱認具著作物性,本件各書信之公開,並不違反三島由紀夫之意思。

三、爭點

爭點內容
① 書信之著作物性私人書信是否該當著作權法上之著作物,而受著作權保護?
② 過失之有無倘被告主張書信著作物性於出版當時「不為任何人所知」,其等是否仍具備侵權之故意或過失?
③ 著作權法第60條之適用本件各書信之公開,是否違反三島由紀夫之意思,從而構成第60條所定死後人格利益之侵害?

四、法院之判斷(東京高等法院維持第一審見解)

(一)書信著作物性之肯認

【要旨】著作權法將著作物定義為「思想或感情之創作性表現,屬於文藝、學術、美術或音樂範圍者」,並未特別排除書信,故書信縱使其性質特殊,倘符合前開定義,仍屬著作物,殊無疑義。

法院首先明確闡釋,著作權法上著作物之定義,並未因書寫載體或形式(書信)而設有特殊排除規定,凡符合思想或感情創作性表現之要件者,即應認定為著作物,不因其係私人書信、未曾預期公開發表,而異其結論。

(二)故意過失之肯認——法律不因未受普遍認識而喪失效力

就被告所提出「書信著作物性於出版當時不為任何人所知,故欠缺故意過失」之抗辯,法院明確予以駁斥,闡明著作物性之法律判斷標準,並不因社會大眾(甚或專業人士)於特定時點對其欠缺明確認識或預測可能性,即認定相關法律規範「事實上不存在」,被告仍應就其出版行為負故意或過失之責任。

(三)著作權法第60條之適用——死後人格利益之保護

就著作權法第60條但書所定「公開不違反著作人意思」之抗辯,法院審酌本件各書信之具體內容,認定其中確有明確顯示三島由紀夫本人期待該等內容保持機密、不予公開之記載(例如信中明確表示「請將本人之警告內容列為極機密」等語),此等記載本身,已足以顯示該等書信係作為未曾預期公開發表之私信而書寫,法院基此認定,本件各書信之公開,應解為違反三島由紀夫之意思,故成立著作權法第60條所定死後人格利益之侵害。法院並認定,斟酌本件書信經公開後三島由紀夫名譽聲望受損之程度等一切情事,被告仍應負相當金額(新台幣約500萬日圓)之損害賠償責任,並應採取足以回復名譽之適當措施(如刊登特定內容之廣告啟事)。

五、本判決之法理意義

1 私人書信著作物性之肯認及其影響

本判決明確肯認私人書信於符合創作性要件之情形下,得作為著作權法上之著作物,此對日後涉及名人書信集、往復書簡集等出版企劃之法律風險評估,具有重要之實務指引意義——出版者於規劃此類content時,應充分認知書信本身可能獨立享有著作權保護,不得逕以「僅係私人通信、非正式文學創作」為由,忽略取得著作權人(或其繼承人)授權之必要性。

2 著作權法第60條死後人格利益保護機制之具體操作

本判決就著作權法第60條「公開是否違反著作人意思」此一抽象要件,提供具體之操作方法——即應審酌著作物本身之具體內容及書寫脈絡(如書信中明確要求保密之記載),據以推知著作人生前對於該content公開與否之真實意思,此一具體操作方法,其後為涉及已故著作人未公開著作物出版爭議之案件,提供重要之判斷參考基準。

東京高等裁判所 平成11年(ネ)第5511号 平成12年5月23日判決(最高裁平成12年11月9日決定により上告棄却、確定)

【判例研究】三島由紀夫書簡事件

私信の著作物性と死後の人格的利益の保護——著作権法60条の公表権存続保護の適用

一、緒論:私信の著作物性と死後の人格保護の交錯する難題

三島由紀夫書簡事件は、日本を代表する小説家である三島由紀夫(本名・平岡公威)が生前に友人へ宛てて作成した私信が、著作者の死後、本人又は相続人の意思に反して出版されたことをめぐり、著作権及び著作者人格権の保護範囲が争われた重要判例である。 本件は、単なる私信の無断出版による著作権侵害の問題にとどまらず、著作権法における「著作物」の概念、並びに著作者の死後における人格的利益の保護という二つの基本的問題を提起した点に特徴がある。 第一の問題は、私信が著作権法上の「著作物」として保護されるかという問題である。 私信は、本来、特定の相手方との個人的な意思疎通を目的として作成されるものであり、一般社会に公開されることを予定した文学作品や論文とは性質を異にする。しかし、私信であっても、そこに書き手の思想や感情が創作的に表現されている場合には、著作権法第2条第1項第1号にいう「著作物」に該当し、著作権による保護を受ける可能性がある。 したがって、本件では、私的な通信手段として作成された書簡であっても、その内容や表現形式に創作性が認められる場合、著作権保護の対象となるのかが問題となった。 第二の問題は、著作者の死後における人格的利益の保護に関する問題である。 著作者人格権は、著作者の人格と密接に結びついた権利であり、著作権法上、著作者の死亡によって消滅するものとされている。しかし、著作権法第60条は、著作者の死後においても、その人格的利益を一定範囲で保護するため、著作者が生存しているとした場合に著作者人格権の侵害となるべき行為を禁止している。 そこで、著作者の生前に公表されなかった私信について、第三者が相続人等の同意を得ることなく公開した場合、それが著作財産権上の複製権侵害だけでなく、著作権法第60条によって保護される死後の人格的利益、特に公表権に関する利益の侵害となるかが問題となった。 本判決は、私信であっても一定の創作性を有する場合には著作物として保護されることを確認するとともに、著作者の死後においても、未公表著作物の公表に関する人格的利益が一定範囲で保護されることを明らかにした。 そのため、本件は、私的領域に属する表現活動と著作権保護の関係、及び著作者人格権の死後保護のあり方を検討する上で、日本著作権法上重要な意義を有する判例として位置付けられている。

二、事実関係

本件被告Y1は出版社であり、被告Y2は当該出版社の第一出版局長であり、被告Y3は書籍「三島由紀夫・剣と寒紅」(本件書籍)の執筆者である。Y3は三島由紀夫が生前自己に宛てて書いた未公表の私信15通(本件各手紙)を、本件書籍に全文掲載した。原告(被控訴人)らは三島由紀夫の法定相続人であり、次のとおり主張した。第一に、Yらの掲載行為が、自己が三島由紀夫から相続した著作権(複製権)を侵害するものであること。第二に、三島由紀夫がなお存命であったとすれば、これらの手紙の公開行為は、その公表権の侵害を構成するはずであり、この死後の人格的利益は、著作権法第60条の規定に基づき、なお保護されるべきであること。原告は本件書籍の出版・販売の差止め、並びに損害賠償及び名誉回復のための適当な措置(謝罪広告の掲載等)を求めて提訴した。Yらはこれに対し、第一に手紙はその性質上著作物性を有しないこと、第二に、たとえ著作物性を有するとしても、本件各手紙の公開は三島由紀夫の意に反するものではないことを抗弁とした。

三、争点

争点内容
① 手紙の著作物性私信は著作権法上の著作物に該当し、著作権による保護を受けるか。
② 故意・過失の有無被告が、出版当時、手紙の著作物性は「誰にも知られていなかった」と主張する場合、なお侵害の故意又は過失を有するといえるか。
③ 著作権法60条の適用本件各手紙の公開は、三島由紀夫の意に反するものであり、第60条所定の死後の人格的利益の侵害を構成するか。

四、裁判所の判断(東京高等裁判所は第一審の見解を維持)

(一)手紙の著作物性の肯定

【要旨】著作権法は著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義し、特に手紙を除外していないから、右の定義に該当する限り、手紙であっても著作物であることは明らかである。

裁判所はまず、著作権法上の著作物の定義が、書かれた媒体又は形式(手紙)によって特段の除外規定を設けていないことを明確に示した。思想又は感情の創作的表現という要件を満たす限り、著作物として認定されるべきであり、それが私信であって、公表を予期していなかったものであるからといって、結論が異なるものではない。

(二)故意・過失の肯定——法は普遍的な認識を欠くことによって効力を失わない

被告が提出した「手紙の著作物性は出版当時誰にも知られていなかったため、故意・過失を欠く」との抗弁について、裁判所は明確にこれを退け、著作物性の法律上の判断基準は、社会一般(あるいは専門家でさえも)が特定の時点においてこれについて明確な認識又は予測可能性を欠いていたからといって、関連する法規範が「事実上存在しない」ことにはならないことを明らかにした。被告はなお、その出版行為について故意又は過失の責任を負うべきであるとした。

(三)著作権法60条の適用——死後の人格的利益の保護

著作権法第60条ただし書所定の「公開が著作者の意に反しない」との抗弁について、裁判所は本件各手紙の具体的な内容を検討し、そのうちに三島由紀夫本人が当該内容の秘密保持及び非公開を明確に期待していたことを示す記載(例えば手紙の中で「本人からの警告の内容は極秘にしてほしい」旨明確に述べている等)が確かに存在すると認定した。このような記載自体が、これらの手紙が公表を予期しない私信として書かれたものであることを十分に示すものであるとして、裁判所はこれに基づき、本件各手紙の公開は三島由紀夫の意に反するものと解すべきであり、したがって著作権法第60条所定の死後の人格的利益の侵害が成立すると認定した。裁判所はさらに、本件手紙が公開されたことによる三島由紀夫の名誉声望の毀損の程度等、一切の事情を斟酌し、被告はなお相当額(約500万円)の損害賠償責任を負うべきであり、かつ名誉を回復するに足りる適当な措置(特定の内容の広告文の掲載等)を講じるべきであると認定した。

五、本判決の法理的意義

1 私信の著作物性の肯定とその影響

本判決は、私信が創作性の要件を満たす場合には、著作権法上の著作物となりうることを明確に肯定した。これは、著名人の書簡集、往復書簡集等の出版企画に関わる法的リスク評価にとって、重要な実務上の指針的意義を有する——出版者はこの種のコンテンツを企画するに当たり、手紙自体が独立して著作権による保護を受けうることを十分に認識すべきであり、単に「私的な通信にすぎず、正式な文学的創作ではない」との理由で、著作権者(又はその相続人)から許諾を得る必要性を看過してはならない。

2 著作権法60条の死後人格的利益保護メカニズムの具体的運用

本判決は、著作権法第60条の「公開が著作者の意に反するか否か」というこの抽象的な要件について、具体的な運用方法を提供している——すなわち、著作物自体の具体的な内容及び執筆の文脈(手紙の中で明確に秘密保持を求める記載等)を検討し、これに基づき著作者が生前当該コンテンツの公開の可否について有していた真の意思を推知すべきであるというものである。この具体的な運用方法は、その後故人となった著作者の未公表著作物の出版をめぐる争いに関わる事案にとって、重要な判断上の参考基準を提供している。



注意事項 / 注意事項
日本語
当ウェブサイトに掲載されている情報は参考用として作成したものです。内容の正確性・完全性および最新性を保証するものではありません。ご利用に際して生じた損害やトラブルについて、当方は一切の責任を負いかねます。ご利用の際は、必ずご自身で内容をご確認ください。本稿は一般的な情報提供を目的とするものであり、法的助言を構成しません。個別案件については専門家にご相談ください。
中文
本網站所刊載之資訊係為參考用途而製作,對於內容之正確性、完整性及即時性不作任何保證。對於使用該等資訊所導致的任何損害或糾紛,本網站恕不負任何責任。使用時請務必自行加以確認。本稿僅供一般資訊提供之用,不構成法律意見。針對個別案件,請諮詢專業人士。