【判例研究】焦糖哥哥(キャラメル兄さん)商標廢止事件
【判例研究】焦糖哥哥商標廢止事件
商標法第5條「使用」要件之判斷基準——藝名、角色名稱使用與商標維權使用之區辨
一、緒論:商標廢止制度與「維權使用」之根本課題
「焦糖哥哥」商標廢止事件,是臺灣智慧財產及商業法院就《商標法》第63條所規定之商標連續三年未使用廢止制度中,「商標使用」之意義及判斷標準所作出的重要判例。本案之特色在於,爭點並非一般商標侵權案件中商標近似使用是否構成侵權,而是在於作為藝人藝名或角色名稱而廣為人知之名稱,究竟是否屬於《商標法》上之「商標使用」,抑或僅係作為識別特定人物之稱呼而已。依據臺灣《商標法》第63條第1項第2款規定,註冊商標於註冊後,無正當事由連續三年以上未使用者,任何人均得申請廢止其商標註冊。此一制度旨在要求商標權人於取得註冊後,仍須持續於市場上實際使用商標,使商標得以維持其識別商品或服務來源之功能,避免商標僅因註冊而遭長期占有,妨礙他人申請相同或近似商標,並確保商標制度之正常運作。然而,《商標法》所稱之「使用」,並非僅指商標名稱或圖樣曾經出現即可成立。依《商標法》第5條規定,所謂商標使用,係指基於行銷商品或服務之目的而使用商標,且其使用方式足以使相關消費者認識其係作為商品或服務來源標識之商標。因此,即使某一名稱長期作為藝名或角色名稱而廣泛使用,倘若未發揮識別商品或服務來源之功能,仍不得認定屬於《商標法》所稱之商標使用。本案即係將《商標法》第5條所稱之「商標使用」概念具體適用於藝名使用情形之代表性案例。本案中,兒童電視頻道「momo親子台」主持人陳嘉行於主持節目期間使用「焦糖哥哥」作為藝名。該藝名係由節目製作公司優視傳播股份有限公司所命名,並由該公司申請註冊「焦糖哥哥」商標。其後,陳嘉行雖已離開節目,不再擔任主持人,但由於一般觀眾對其本名之認識遠不如「焦糖哥哥」一名,因此其於參與各類商業演出及公開活動時,仍持續以「焦糖 陳嘉行」之名義從事演藝活動。另一方面,優視傳播股份有限公司於節目停播後,仍持續販售先前製作完成之節目錄影帶、DVD及音樂專輯等商品,而該等商品上仍標示有「焦糖哥哥」名稱。2019年5月,優視傳播股份有限公司向陳嘉行寄發存證信函,主張其繼續使用「焦糖哥哥」名稱已侵害商標權,並要求立即停止使用,否則將提起刑事告訴。對此,陳嘉行於諮詢法律專業人士後,認為「焦糖哥哥」商標已逾三年未作為商標實際使用,遂依《商標法》第63條第1項第2款規定,向主管機關申請廢止該商標。對於廢止申請,優視傳播股份有限公司則主張,雖然陳嘉行已非節目主持人,但公司仍持續販售節目錄影帶、DVD及音樂專輯等商品,而商品上均標示有「焦糖哥哥」名稱,因此該商標仍屬持續使用,並未構成三年未使用之廢止事由。因此,本案之核心爭點在於,藝名之使用,以及於既有影音作品、錄影帶及音樂專輯等商品上持續標示「焦糖哥哥」名稱之行為,是否屬於《商標法》第5條所規定之「商標使用」。本判決明確指出,名稱本身具有高度知名度,並不當然表示已構成商標使用;是否屬於商標使用,仍應以相關消費者是否將該表示認識為商品或服務來源之識別標誌為判斷基準。法院並進一步區分,藝名或角色名稱之使用,與維持商標權所要求之商標使用,在法律性質上並不相同。是故,本判決具體建構了臺灣《商標法》第5條所稱「商標使用」之判斷標準,並成為臺灣商標法實務上關於商標使用及不使用廢止制度之重要代表性判例。
二、事實關係
優視傳播股份有限公司(下稱「優視公司」)於2008年間,以「焦糖哥哥」申請商標註冊,經核准取得商標權,指定使用於演藝經紀等相關服務。其後,長期以「焦糖哥哥」為藝名,擔任優視公司系列電視節目(含MOMO親子台等頻道節目)主持人及演員之藝人陳嘉行,以該商標「無正當事由迄未使用或繼續停止使用已滿3年」為由,向經濟部智慧財產局(下稱「智慧局」)申請廢止該商標註冊。智慧局審查後,准予廢止。優視公司不服,提起本件行政訴訟,主張其確有持續使用該商標之事實,訴請撤銷智慧局之廢止處分。
三、爭點
本件之核心爭點為:優視公司所提出,證明其節目清單、專輯MV、DVD等content中,確實出現「焦糖哥哥」文字之相關證據,是否足以證明優視公司已就系爭商標,為商標法第5條所定「行銷目的」及「消費者商標認知」要件下之正當使用,從而阻卻廢止事由之成立?
四、智慧財產法院之判斷
(一)節目中使用「焦糖哥哥」文字非等同於商標使用
【要旨】優視公司雖提出節目清單、專輯MV、DVD等有使用「焦糖哥哥」文字之證據,惟此等證據僅能證明陳嘉行有以「焦糖哥哥」名稱擔任優視公司系列節目或專輯之主持人或演員,且上開證據同時或僅標示「MOMO」、「MOMO親子台」等字樣。因此,消費者對於「焦糖哥哥」之認知,僅止於是特定個人、角色,並非作為表彰所指定之演藝經紀人等服務或來源之識別,並非商標之使用。
法院此部分之論理,核心在於區辨「文字之曝光及使用頻率」與「商標法上之商標使用」二者間之本質差異。法院具體指出,縱使「焦糖哥哥」一詞於相關節目content中,確實反覆、大量出現,惟其呈現之脈絡及方式,係作為識別「特定主持人或演員身分」之個人化稱謂或藝名而使用,而非作為向消費者傳達「此一服務係由優視公司所提供」此一出所識別訊息之商標而使用;復參酌相關content同時或另行標示「MOMO」、「MOMO親子台」等其他明確之品牌或頻道識別標識,益徵消費者於接觸該等content時,實際上係以此等其他標識作為辨識服務出處之依據,「焦糖哥哥」於消費者之認知結構中,僅止於指涉特定自然人或其節目角色之稱謂功能,未能發揮商標法所要求之出所識別功能。
(二)角色設定或扮演行為非屬商標使用之判斷
就優視公司所提出,節目中多個角色名稱均曾由不同人演繹、該等角色名稱之商標權屬公司所有此一論點,法院進一步闡明:此等角色人選之更迭安排,本質上屬於當事人間契約自由原則下所協議之合作模式問題,與該角色名稱是否曾經作為商標法上之「商標」而為實際使用之問題,性質上截然有別,不得混為一談。法院並具體指出,就節目中「焦糖哥哥」文字之實際呈現方式而言,其本身並無特別顯著之標示方式,而係以介紹主持人或演出人員名稱之通常方式,加註於參與人員臉部影像旁側,此一呈現方式,依相關消費者之通常認知,僅能理解為節目或活動中特定人物、角色之名稱標示,客觀上尚無從使消費者由此節目或活動之呈現內容,認知或意識「焦糖哥哥」與系爭商標指定之演藝經紀等服務項目間,存有作為商標所應具備之出所連結關係。
五、本案之法理意義
1 商標「使用」要件雙重審查基準之具體展現
本案完整展現臺灣商標法實務就商標法第5條「使用」要件所採之雙重審查基準:其一為主觀要件,即商標權人之使用行為,是否確實出於行銷其註冊商品或服務之目的;其二為客觀要件,即該使用行為,客觀上是否確實將商標使用於所註冊之商品或服務類別,且其呈現方式足以使消費者將其認識為表彰特定出所之商標。本案之特殊意義,在於具體展現此二要件於「藝名/角色名稱」此一特殊使用型態下之操作方法——縱使該名稱之曝光頻率甚高、亦確實與商標權人之節目content密切相關,惟倘其呈現脈絡及方式,客觀上僅足以使消費者將其理解為特定人物或角色之稱謂,而非藉以識別服務提供者之出所標識,即不構成商標法上之正當使用。
2 演藝經紀產業商標管理實務之重要警示
本案對於演藝經紀、媒體製作等產業之商標管理實務,具有重要之實務警示意義:企業縱使長期投注資源培植特定藝人或節目角色,並以該藝名或角色名稱申請商標註冊,倘其後續之實際使用型態,僅止於將該名稱作為節目主持人或演員身分之識別標籤,而未搭配其他積極作為(例如將該名稱與企業自身之品牌識別為緊密之出所連結宣傳、或以該名稱本身作為商品或周邊產品之品牌標示等),仍有相當風險,因欠缺商標法所要求之「商標使用」要件該當性,而面臨遭利害關係人(如該名稱之實際使用藝人本人)申請廢止之法律風險,此於藝人與經紀公司間就藝名商標權歸屬發生爭議之情形下,尤具參考價值。
3 契約自由原則與商標法要件判斷之界限劃分
本案明確劃定「契約法上之角色扮演安排」與「商標法上之使用要件判斷」二者間之界限,闡明縱使企業於契約上,得依其自由意志安排何人得以特定角色名稱參與演出,此一契約自由範疇內之安排,並不當然等同於該角色名稱已於商標法意義下,被實際使用為表彰特定服務出所之商標,此一界限之劃定,避免商標權人以契約安排之外觀,混淆規避商標法所定之維權使用要件,具有防止商標權人怠於實際使用而僅形式性占有權利之政策意義。
【判例研究】「焦糖哥哥(キャラメル兄さん)」商標廃止事件
商標法第5条「使用」要件の判断基準——芸名・キャラクター名の使用と商標の権利維持使用との区別
一、緒論:商標廃止制度と「権利維持使用」の根本的課題
「焦糖哥哥(キャラメル兄さん)」商標廃止事件は、台湾智慧財產及商業法院が、商標法第63条に規定される不使用取消(廃止)制度における「商標の使用」の意義について具体的な判断基準を示した重要判例である。本件の特徴は、芸能人の芸名・キャラクター名として広く知られている名称が、商標法上の「商標の使用」に該当するか、それとも単なる人物の呼称として使用されているにすぎないのかが争点となった点にある。台湾商標法第63条第1項第2号は、登録商標について正当な理由なく継続して3年以上使用していない場合には、何人もその登録の廃止を請求することができると規定している。この制度は、商標権者が登録後も継続的に商標を市場で使用し、商品又は役務の出所表示機能を維持することを求めるものであり、実際に使用されない商標による権利の独占を防止することを目的としている。もっとも、商標法上いう「使用」とは、単に商標が表示されていることを意味するものではない。商標法第5条は、「マーケティングの目的」で使用され、かつ関連消費者が当該表示を商品又は役務の出所を示す商標として認識できる態様で使用されていることを要件としている。そのため、芸名やキャラクター名として広く使用されている名称であっても、それが商標としての出所表示機能を果たしていなければ、商標法上の「使用」とは認められない。本件は、この商標法第5条にいう「使用」の概念を具体的に適用した代表的事例である。本件では、児童向けテレビ番組「momo親子台」の司会者であった陳嘉行は、番組出演当時、「焦糖哥哥」という芸名を使用していた。この芸名は番組制作会社である優視傳播股份有限公司によって命名され、同社は「焦糖哥哥」を商標登録していた。その後、陳嘉行は番組を降板したものの、本名よりも「焦糖哥哥」の名称が一般に広く認知されていたことから、各種イベントや商業活動において「焦糖 陳嘉行」の名称を引き続き使用していた。一方、優視傳播公司は番組終了後も、過去に制作した映像作品や音楽アルバムを継続して販売しており、それらの商品には「焦糖哥哥」の表示が付されていた。2019年5月、優視傳播公司は陳嘉行に対し、「焦糖哥哥」の名称の使用は商標権侵害に当たるとして使用中止を求める内容証明郵便を送付し、使用を継続する場合には刑事告訴を行う旨を通知した。これに対し陳嘉行は「焦糖哥哥」商標は既に3年以上商標として使用されていないとして、台湾商標法第63条第1項第2号に基づき、商標登録の廃止を請求した。これに対し、優視傳播公司は、番組終了後もDVD、録画映像及び音楽アルバムなどの販売を継続しており、それらの商品に「焦糖哥哥」の表示を付して販売している以上、登録商標は継続して使用されていると主張した。そこで本件では、芸名としての使用、過去の映像作品や音楽商品の販売に伴う名称の表示が、商標法第5条にいう「商標としての使用」に該当するか否かが中心的争点となった。本判決は、名称が社会的に広く認知されていること自体は商標使用を意味するものではなく、関連消費者が当該表示を商品の出所表示として認識するか否かを基準として判断すべきであることを明確にした。そして、芸名・キャラクター名としての使用と、商標権を維持するために必要な商標としての使用とは法的性質が異なることを示し、台湾商標法における「使用」概念の判断基準を具体化した代表的判例として、現在の商標実務において重要な先例と位置付けられている。
二、事実関係
優視傳播股份有限公司(以下「優視社」という)は2008年、「焦糖哥哥」の商標登録を出願し、承認を受けて商標権を取得した。指定役務は芸能マネジメント等の関連役務であった。その後、長期にわたり「焦糖哥哥」を芸名として、優視社のシリーズテレビ番組(MOMO親子台等のチャンネル番組を含む)の司会者及び出演者を務めていた芸能人陳嘉行氏は、当該商標に「正当な事由なく引き続き使用せず、又は使用を継続的に停止した状態が満3年に至った」事由があるとして、経済部智慧財産局(以下「智慧局」という)に対し当該商標登録の廃止を申請した。智慧局は審査の結果、廃止を認めた。優視社はこれを不服として本件行政訴訟を提起し、自社が確かに当該商標を継続的に使用していた事実があると主張して、智慧局の廃止処分の取消しを求めた。
三、争点
本件の核心的な争点は、優視社が提出した、自社の番組リスト、アルバムのミュージックビデオ、DVD等のコンテンツの中に、確かに「焦糖哥哥」の文字が現れていることを証明する関連証拠が、優視社が係争商標について、商標法第5条所定の「マーケティングの目的」及び「消費者の商標認識」という要件の下での正当な使用を行ったことを証明するに足り、これにより廃止事由の成立を阻却するに足りるか、という点にある。
四、知的財産法院の判断
(一)番組における「焦糖哥哥」の文字の使用は商標使用に当たらない
【要旨】優視社は番組リスト、アルバムのミュージックビデオ、DVD等、「焦糖哥哥」の文字を使用した証拠を提出したが、これらの証拠は、陳嘉行氏が「焦糖哥哥」という名称をもって優視社のシリーズ番組又はアルバムの司会者又は出演者を務めていたことを証明するにすぎず、かつ前記証拠には同時に又は単独で「MOMO」、「MOMO親子台」等の文字も表示されている。したがって、消費者の「焦糖哥哥」に対する認識は、特定の個人、キャラクターを指すにとどまり、指定された芸能マネジメント等の役務又はその出所を表彰するものとしての識別ではなく、商標の使用には当たらない。
裁判所のこの部分の論理は、「文字の露出及び使用頻度」と「商標法上の商標使用」という両者の間の本質的な相違を区別することに核心がある。裁判所は具体的に、たとえ「焦糖哥哥」という語が関連する番組コンテンツの中に、確かに繰り返し大量に現れていたとしても、その表示される文脈及び方式は、「特定の司会者又は出演者の身分」を識別するための個人的な呼称又は芸名として使用されているものであり、消費者に対し「この役務は優視社によって提供されているものである」という出所識別のメッセージを伝達するための商標として使用されているものではないと指摘した。さらに、関連するコンテンツに同時に又は別途「MOMO」、「MOMO親子台」等の他の明確なブランド又はチャンネルの識別標識が表示されていることを参酌すれば、消費者が当該コンテンツに接する際、実際にはこれらの他の標識を役務の出所を識別する根拠としていることがいっそう裏付けられる。「焦糖哥哥」は消費者の認識構造の中では、特定の自然人又はその番組上のキャラクターを指す呼称としての機能にとどまり、商標法が要求する出所識別機能を発揮するには至っていない。
(二)キャラクター設定又は役柄の演技は商標使用に当たらないとの判断
優視社が主張した、番組中の複数のキャラクター名称がいずれも異なる人物によって演じられたことがあり、当該キャラクター名称の商標権は会社に帰属するとの論点について、裁判所はさらに次のとおり明らかにした。このようなキャラクターの配役の入れ替えの取り決めは、本質的に当事者間の契約自由の原則の下で合意された協力モデルの問題であり、当該キャラクター名称が商標法上の「商標」として実際に使用されたことがあるか否かという問題とは、性質上全く別のものであり、混同すべきではない。裁判所はさらに具体的に、番組中における「焦糖哥哥」の文字の実際の表示方式について、それ自体特に顕著な表示方式を有するものではなく、司会者又は出演者の名称を紹介する通常の方式で、参加者の顔の画像の脇に付記されているにすぎないと指摘した。この表示方式は、関連消費者の通常の認識に照らせば、番組又はイベントにおける特定の人物・キャラクターの名称表示としてしか理解できず、客観的に見て、消費者がこの番組又はイベントの表示内容から、「焦糖哥哥」と係争商標が指定する芸能マネジメント等の役務項目との間に、商標として備えるべき出所の結び付きが存在すると認識し又は意識するには至らない。
五、本件の法理的意義
1 商標「使用」要件の二重審査基準の具体的な展開
本件は、台湾商標法実務が商標法第5条の「使用」要件について採用する二重の審査基準を完全に示している。第一は主観的要件であり、すなわち商標権者の使用行為が、実際に自己の登録商品又は役務をマーケティングする目的に基づくものであるか否かである。第二は客観的要件であり、すなわち当該使用行為が客観的に、商標を登録された商品又は役務の類別に使用しているか、かつその表示方式が消費者にこれを特定の出所を表彰する商標として認識させるに足りるものであるか否かである。本件の特殊な意義は、「芸名/キャラクター名」というこの特殊な使用態様の下での、この二つの要件の運用方法を具体的に示した点にある——たとえ当該名称の露出頻度が非常に高く、また確かに商標権者の番組コンテンツと密接に関連していたとしても、その表示される文脈及び方式が、客観的に消費者に単に特定の人物又はキャラクターの呼称として理解させるに足りるにすぎず、役務提供者の出所を識別するための標識としての機能を果たしていないのであれば、商標法上の正当な使用を構成しない。
2 芸能マネジメント産業の商標管理実務における重要な警鐘
本件は、芸能マネジメント、メディア制作等の産業における商標管理実務にとって、重要な実務上の警鐘的意義を有する。企業がたとえ長期にわたり資源を投じて特定の芸能人又は番組上のキャラクターを育成し、当該芸名又はキャラクター名称をもって商標登録を出願したとしても、その後の実際の使用態様が、単に当該名称を番組の司会者又は出演者の身分を識別するラベルとして用いるにとどまり、他の積極的な措置(当該名称を企業自身のブランド識別と緊密な出所の結び付きとして宣伝すること、又は当該名称自体を商品若しくは関連商品のブランド表示として用いること等)を伴わないのであれば、なお相当なリスクが存在する。すなわち、商標法が要求する「商標使用」の要件該当性を欠くとして、利害関係人(当該名称を実際に使用している芸能人本人等)による廃止申請という法的リスクに直面することになる。これは、芸能人とマネジメント会社との間で芸名の商標権の帰属について争いが生じる場合において、とりわけ参考価値を有する。
3 契約自由の原則と商標法上の要件判断との境界の画定
本件は、「契約法上の役柄の配役の取り決め」と「商標法上の使用要件の判断」という両者の間の境界を明確に画定し、たとえ企業が契約上、自己の自由意思によって誰が特定のキャラクター名称をもって出演するかを取り決めることができるとしても、この契約自由の範疇内の取り決めが、当然に当該キャラクター名称が商標法上の意味において、特定の役務の出所を表彰する商標として実際に使用されたことと同視されるものではないことを明らかにした。この境界の画定は、商標権者が契約上の取り決めという外観をもって、商標法が定める権利維持使用の要件を混同させ回避することを防止するものであり、商標権者が実際の使用を怠りながら単に形式的に権利を占有することを防止するという政策的意義を有する。

