【判例研究】ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー((ONE RAINY NIGHT IN TOKYO)事件

【判例研究】ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件

日本最高裁判所第一小法庭 昭和50年(オ)第324號 昭和53年9月7日判決(民集32卷6號1145頁)

【判例研究】東京雨夜事件(ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件)

著作權侵害「依據性」要件之確立——「不知者不罪」原則於著作權法上之體現

一、緒論:本判決之理論意義

在判斷是否構成著作權侵害時,「依據性(access)」乃最基本且最重要之要件之一。此一要件係建立於著作權法保護對象為「思想或感情之創作性表達」之基本理念,亦即著作權法固然賦予創作性表達一定程度之專有保護,但並不排除因偶然一致或獨立創作而產生相同或近似之表達。此一特性與專利權等工業財產權制度具有本質上之差異。專利權採取絕對排他權之保護模式,縱使第三人完全不知悉專利權之存在,而係基於自身獨立之研究開發完成與專利技術實質相同之發明,只要實施該專利發明,原則上仍構成專利權侵害。換言之,在專利法上,侵權人是否知悉專利發明,並不影響侵權之成立。相較之下,著作權法所保護者並非思想或感情本身,而係其具有創作性之具體表達形式。因此,若第三人從未接觸既有著作,而僅係基於獨立創作,偶然完成與既有著作相同或近似之表達,即不構成著作權侵害。此一法理即為著作權法上所稱之「依據性」要件,亦可視為「不知者不罰(知らぬが仏)」原則於著作權法上的具體體現。然而,在著作權侵害訴訟中,依據性究應如何認定,過去並非始終具有明確之判斷標準。針對此一問題,日本最高法院首次作出明確法律判斷者,即為著名之〈東京下著雨的夜晚〉(ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー)事件。本判決明確指出,著作權侵害之成立,並非僅因兩作品具有相同或近似之表達即可成立,而尚須證明被控侵權人曾接觸既有著作,並以該著作作為創作之依據。由本判決所建立之「依據性」與「相似性」雙重判斷架構,其後已成為日本著作權侵害訴訟中判斷複製權及改作權侵害是否成立之基本法理,迄今仍為日本著作權法最重要之先例之一。

二、事實關係

本件原告雷米克音樂公司(美國音樂出版社),就其管理之樂曲「Boulevard of Broken Dreams」(夢碎大道,由美國作曲家Harry Warren為電影「紅磨坊」所作曲之主題曲,於昭和9年(1934年)發表)主張著作權,指稱作曲家鈴木道明所作詞作曲、於昭和38年(1963年)發表之流行歌曲「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」(東京雨夜),其旋律與「夢碎大道」構成實質近似,係抄襲自後者,訴請對已取得該歌曲著作權讓與之被告日音股份有限公司,及授權東芝音樂工業等公司灌錄發行唱片之相關行為,主張複製權侵害。

三、下級審之判斷經過

第一審東京地方裁判所,就音樂著作物之比對基準,揭示應綜合考量「旋律、和聲、節奏、形式」四項要素為整體性比較判斷之方法論,並具體審查後,認定兩曲間不具同一性,駁回原告之請求。原告不服提起上訴,東京高等法院於昭和49年(1974年)12月24日駁回上訴,維持第一審之結論。原告仍不服,提起本件上告。

四、最高法院之判斷

【要旨】著作物之複製,係指依據既存之著作物,將足以使人認識其內容及形式之物,加以有形之再製之謂,故縱使作成與既存著作物具備同一性之作品,倘該作品並非依據既存著作物而為之再製,即不該當複製,無由發生著作權侵害之問題。從而,未曾接觸既存著作物、因而不知其存在及內容之人,不問其對此欠缺知悉是否具備過失,均無從依據既存著作物而為再製,故縱使其創作出與既存著作物具備同一性之作品,亦不因此負著作權侵害之責任。

(一)「依據」要件之理論建構

最高法院此部分判斷之核心貢獻,在於明確將「依據性」列為著作權侵害(複製)成立之獨立要件,與「再製(即表現上之同一性)」要件併列,二者須同時具備,始成立著作權法上之複製行為。此一要件之理論基礎,在於著作權制度係採創作保護主義,著作權之發生無庸經審查、登錄等公示程序,倘容許權利人僅憑客觀上表現形式之近似,即得對抗全然不知其著作物存在、獨立完成近似創作之第三人,將使獨立創作者承受不可預測之法律風險,此顯與著作權法獎勵創作之立法目的相悖。故著作權侵害之成立,必須以侵害人主觀上確曾接觸並知悉既存著作物之存在及內容為前提,倘欠缺此一主觀上之接觸及認識,縱使表現上確有雷同,亦僅屬「偶然暗合」,不生侵權責任。

(二)過失有無之排除——依據要件之特殊定性

最高法院進一步闡明一項重要之附帶論點:對於既存著作物之欠缺知悉,不問行為人是否具備過失,均不影響前開結論。此一闡釋具有精細之理論意義——依據性要件之審查,並非傳統侵權行為法上過失責任原理之操作(即非審究行為人「應否知悉」而未知悉是否具可歸責性),而係著作權侵害「複製」行為本身於概念構成上之前提要件(即行為人主觀上須「知悉」既存著作物之存在,方有可能「依據」該著作物為「再製」),縱使行為人因疏忽大意而未查知既存著作物之存在,此一過失本身,仍無從補正其「未依據既存著作物」此一事實,蓋依據性要件著重者係「事實上之接觸及認識」,而非「應注意而未注意」之可歸責性判斷。

(三)本件具體事實之涵攝

最高法院就本件具體事實為認定:其一,Harry Warren之樂曲於「東京雨夜」作曲當時(昭和38年),並非音樂專家及愛好者人人皆知之著名程度,僅在部分音樂專家及愛好者間有所知悉;其二,鈴木道明雖曾任職東京放送(TBS)演出部長,於昭和27年前後亦曾兼任唱片部門職務,惟此等經歷本身尚不足以推認其於作曲當時,即已知悉「夢碎大道」之存在;其三,兩曲之近似程度,尚未達「若非知悉夢碎大道即無從完成如此近似之東京雨夜」之程度。基此,最高法院認定被上告人不負著作權侵害之責任,駁回上告。

五、本判決之法理意義及後續發展

1 著作權侵害審查二階段構造之奠基

本判決確立著作權侵害審查之基本二階段構造:第一階段為「依據性」之審查(主觀上是否曾接觸並知悉既存著作物),第二階段則為「同一性(再製)」之審查(客觀上表現形式是否具備複製或翻案關係所要求之同一性程度)。此二階段構造,其後為江差追分事件等一系列複製權、翻案權侵害判例所承繼,成為日本著作權侵害審查實務之基本方法論架構,本判決專司「依據性」此一要件之奠基,而江差追分事件則專司「同一性(翻案)」判斷基準之精緻化,二者合觀,構成完整之著作權侵害判斷體系。

2 舉證責任及推定機制之後續發展

本判決雖確立依據性要件,惟就其舉證責任及推定機制,未為進一步之闡釋,此一空白其後由下級審裁判實務逐步填補——例如就「顯著之近似程度」搭配「接觸可能性之存在」,實務上發展出得據以推定依據性存在之操作方法,減輕原告就依據性此一主觀要件之舉證困難。

最高裁判所第一小法廷 昭和50年(オ)第324号 昭和53年9月7日判決(民集32巻6号1145頁)

【判例研究】ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件

著作権侵害における「依拠性」要件の確立——「知らぬが仏」原則の著作権法における体現

一、緒論:本判決の理論的意義

著作権侵害の成否を判断する上で、「依拠性(access)」は最も基本的かつ重要な要件の一つである。この要件は、著作権法が保護する対象を「思想又は感情の創作的な表現」と捉え、その表現を独占的に保護する一方で、偶然の一致や独立創作まで排除するものではないという制度趣旨に基づいている。この点は、特許権などの工業所有権制度とは本質的に異なる。特許権は、発明に対する絶対的独占権を付与する制度であり、第三者が特許発明の存在を全く知らず、独自の研究開発によって同一の技術的思想を完成させた場合であっても、特許発明を実施すれば原則として特許権侵害が成立する。すなわち、特許法においては、侵害者が特許発明を認識していたか否かは侵害の成否に影響を及ぼさない。これに対し、著作権法が保護するのは、思想・感情そのものではなく、それらを創作的に表現した具体的な表現形式である。そのため、第三者が既存の著作物に接することなく、独立した創作活動の結果として偶然同一又は類似の表現を創作したにすぎない場合には、著作権侵害は成立しない。このような考え方は、「知らぬが仏」とも表現される著作権法上の依拠性の原則として理解されている。もっとも、著作権侵害訴訟において依拠性をどのように認定すべきかについては、かつて必ずしも明確な基準が存在したわけではなかった。この問題に対して、日本最高裁判所が初めて明確な判断を示したのが、いわゆるワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件である。本判決は、著作権侵害の成立には、単に作品同士が類似しているだけでは足りず、被疑侵害者が既存の著作物に接触し、それに依拠して創作したことが必要であるとの法理を明確に示した。そして、本判決により確立された依拠性と類似性を中心とする判断枠組みは、その後の日本の著作権侵害訴訟において、複製権侵害及び翻案権侵害の成否を判断するための基本的な法理として定着し、現在に至るまで重要な先例として位置付けられている。

二、事実関係

本件原告レミック・ミュージック・コーポレーション(アメリカの音楽出版社)は、自己が管理する楽曲「Boulevard of Broken Dreams」(夢破れし並木道、アメリカの作曲家ハリー・ウォーレンが映画「ムーラン・ルージュ」のために作曲した主題歌であり、昭和9年(1934年)に発表された)について著作権を主張し、作曲家鈴木道明が作詞・作曲し、昭和38年(1963年)に発表した流行歌「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」(東京の雨の夜)の旋律が「夢破れし並木道」と実質的に類似しており、後者を剽窃したものであると主張し、当該楽曲の著作権の譲渡を受けていた被告日音株式会社、及び東芝音楽工業等の会社にレコードの吹き込み・発売を許諾した行為等について、複製権侵害を主張して提訴した。

三、下級審の判断の経過

第一審東京地方裁判所は、音楽著作物の対比の基準について、「旋律、和声、リズム、形式」の四要素を総合的に考慮して全体的な比較判断を行うべきであるという方法論を示し、具体的に審査した結果、両曲の間に同一性は認められないとして、原告の請求を棄却した。原告はこれを不服として控訴し、東京高等裁判所は昭和49年(1974年)12月24日、控訴を棄却し、第一審の結論を維持した。原告はなおこれを不服として本件上告に及んだ。

四、最高裁判所の判断

【要旨】著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいうと解すべきであるから、既存の著作物と同一性のある作品が作成されても、それが既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは、その複製をしたことにはあたらず、著作権侵害の問題を生ずる余地はない。既存の著作物に接する機会がなく、したがってその存在、内容を知らなかった者は、これを知らなかったことにつき過失があると否とにかかわらず、既存の著作物に依拠した作品を再製するに由ないものであるから、既存の著作物と同一性のある作品を作成しても、これにより著作権侵害の責に任じなければならないものではない。

(一)「依拠」要件の理論的構築

最高裁判所のこの部分の判断の核心的な貢献は、「依拠性」を著作権侵害(複製)の成立における独立した要件として明確に位置づけ、「再製(すなわち表現上の同一性)」の要件と並置し、両者が同時に備わって初めて著作権法上の複製行為が成立することを示した点にある。この要件の理論的基礎は、著作権制度が創作保護主義を採用しており、著作権の発生に審査・登録等の公示手続を要しない点にある。仮に権利者が単に客観的な表現形式の類似のみをもって、自己の著作物の存在を全く知らず独自に類似の創作を完成させた第三者に対抗しうるとするならば、独自の創作者が予見不可能な法的リスクを負うこととなり、これは創作を奨励するという著作権法の立法目的に明らかに反することとなる。したがって、著作権侵害の成立には、侵害者が主観的に既存の著作物の存在及び内容に接し、これを認識していたことが前提とされなければならず、この主観的な接触及び認識を欠く場合には、たとえ表現上確かに類似していたとしても、それは単なる「偶然の暗合」にすぎず、侵害責任を生じない。

(二)過失の有無の排除——依拠性要件の特殊な性質決定

最高裁判所はさらに、重要な付随的論点を明らかにした。すなわち、既存の著作物についての認識の欠如は、行為者に過失があるか否かを問わず、前記の結論に影響を及ぼさない。この解釈は、精緻な理論的意義を有する。依拠性要件の審査は、伝統的な不法行為法上の過失責任の原理の運用(すなわち行為者が「知るべきであった」にもかかわらず知らなかったことに帰責性があるかを審査するもの)ではなく、著作権侵害である「複製」行為そのものの概念構成上の前提要件(すなわち行為者は主観的に既存の著作物の存在を「知って」いて初めて、当該著作物に「依拠して」「再製」することが可能となる)である。たとえ行為者が不注意によって既存の著作物の存在を認識していなかったとしても、この過失自体は、その「既存の著作物に依拠していない」という事実を補正するものではない。なぜなら、依拠性要件が重視するのは「事実上の接触及び認識」であって、「注意すべきであったのに怠った」という帰責性の判断ではないからである。

(三)本件の具体的事実へのあてはめ

最高裁判所は本件の具体的な事実について次のとおり認定した。第一に、ハリー・ウォーレンの楽曲は、「東京の雨の夜」の作曲当時(昭和38年)、音楽の専門家及び愛好家であれば誰もが知っているというほどの著名な程度には至っておらず、一部の音楽の専門家及び愛好家の間で知られていたにすぎない。第二に、鈴木道明はかつて東京放送(TBS)の演出部長を務め、昭和27年頃にはレコード部門の職務も兼務していたが、この経歴自体をもって、作曲当時「夢破れし並木道」の存在を知っていたと推認するには足りない。第三に、両曲の類似の程度は、「夢破れし並木道を知らなければこれほど類似した東京の雨の夜を完成させることはできない」という程度にまでは達していない。これに基づき最高裁判所は、被上告人が著作権侵害の責任を負わないと認定し、上告を棄却した。

五、本判決の法理的意義及びその後の展開

1 著作権侵害審査の二段階構造の礎石

本判決は、著作権侵害審査の基本的な二段階構造を確立した。第一段階は「依拠性」の審査(主観的に既存の著作物に接し、これを認識していたか)であり、第二段階は「同一性(再製)」の審査(客観的に表現形式が複製又は翻案の関係が要求する同一性の程度を備えているか)である。この二段階構造は、その後江差追分事件等一連の複製権、翻案権侵害の判例によって継承され、日本の著作権侵害審査実務の基本的な方法論的枠組みとなった。本判決は「依拠性」というこの要件の礎石を築く役割を専ら担い、江差追分事件は「同一性(翻案)」の判断基準の精緻化を専ら担うものであり、両者を併せみることで、完全な著作権侵害判断の体系が構成される。

2 立証責任及び推定メカニズムのその後の発展

本判決は依拠性の要件を確立したものの、その立証責任及び推定メカニズムについては、さらなる解釈を示さなかった。この空白は、その後の下級審の裁判実務において徐々に埋められていった——例えば「著しい類似の程度」と「接触可能性の存在」とを組み合わせて、これに基づき依拠性の存在を推定しうるという運用方法が実務上発展し、原告が依拠性というこの主観的要件について負う立証上の困難を軽減している。


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