【判例紹介】ギャロップレーサー事件

【判例介紹】ギャロップレーサー事件

最高裁判所第二小法廷 平成16年(受)第226號 平成16年2月13日判決

【判例介紹】ギャロップレーサー(Gallop Racer)事件

物之公示性權利(物のパブリシティ権)之成否 / 知識財產法制之體系與司法造法之界限

一、事案概要

當事人

上告人(原告):「奧吉里卡普」(オグリキャップ)、「萊斯沙阿瓦」(ライスシャワー)、「北斗貝加」(ホクトベガ)等實在名駒所有人(馬主)共22名。
被上告人(被告):Tecmo株式會社。競馬電子遊戲軟體《ギャロップレーサー》及《ギャロップレーサーII》之製作及販賣業者。

本件遊戲軟體之概要

本件遊戲軟體(家用版、業務用版及廉價版)使玩家化身騎師,從逾1,000匹實在競走馬中選擇坐騎,在重現真實競馬場的畫面上進行比賽。包裝明載「重現超過1,000匹實在競走馬——能力、步法乃至毛色均完整再現!」,以使用實在競走馬之名稱及相關資料作為商品宣傳之核心賣點。

授權契約締結之情況

被告已就遊戲中部分馬主締結使用授權契約,以產品定價3%之授權金依登場馬匹總數分攤後支付。對原告等馬主則未締結任何協議,逕行使用其所有競走馬之名稱及資料。

原告等馬主主張,上述未經授權之使用侵害其「物之公示性權利」(物のパブリシティ権),提起禁止販賣(差止)及損害賠償之訴。

各審級結果一覽

審 級裁判所・日期結 論
第一審 名古屋地裁
平成12年1月19日
承認物之公示性權利。以「G1比賽出賽資歷」為基準,就符合條件之馬匹認容損害賠償(原告20名,合計約315萬日圓)。差止請求棄却。
控訴審 名古屋高裁
平成13年3月8日
維持物之公示性權利之承認,惟將基準嚴格化為「G1比賽勝出實績」,損害賠償認容額相應減少。差止請求棄却。
上告審 最高裁第二小法廷
平成16年2月13日
全面否定物之公示性權利。欠缺法令依據,不得賦予所有人排他性使用權;不法行為亦不成立。原判決破棄,全部請求棄却確定。

二、裁判所之判斷

第一審(名古屋地裁 平成12年1月19日):承認物之公示性權利

地裁援引人之公示性權利的論理,認定在大眾對特定物品抱有關心、好感、憧憬等情感,且此情感使與該物名稱相關聯之商品產生顧客吸引力之情形下,該物之名稱亦具有公示性價值,應作為物所有人之財產性利益受保護。

要件論之論點地裁之判斷
成立要件 物之名稱等客觀上取得固有之名聲・社會評價・知名度,本身具備顧客吸引力
權利歸屬 歸屬於該物之所有人;與所有權有別,但具附隨性
所有權移轉之效果 移轉後之公示性權利移轉至新所有人;移轉前之部分仍歸屬前所有人
對象物消滅(死亡) 公示性價值存續之限度內,消滅時之所有人仍得主張
差止請求 不認可(欠缺法律依據)
損害賠償 認可(依不法行為論)

就顧客吸引力之認定基準,採「曾出賽G1比賽」之馬匹為有,其餘否定。損害額依被告別件契約之授權金計算方式(產品定價3%依登場馬匹總數分攤)認定,就原告20名認容合計約315萬日圓。

控訴審(名古屋高裁 平成13年3月8日):基準縮限

高裁基本維持地裁之判斷框架,承認物之公示性權利,惟就顧客吸引力之認定基準加以嚴格化:由「曾出賽G1比賽」縮限為「曾勝出G1比賽」,要求以實際勝出為要件。損害賠償認容額相應減少。差止請求與地裁同樣棄却。

上告審(最高裁第二小法廷 平成16年2月13日):全面否定

【要旨】競走馬之名稱等縱具有顧客吸引力,就物之無體物面向之利用此一態樣中競走馬名稱等之使用,欠缺法令等依據而對競走馬所有人賦予排他性使用權等,實非妥當。又,就競走馬名稱等無斷利用行為之不法行為成否,在違法行為之範圍、態樣等尚未依法令等明確化之現時點,不得肯定其成立。

最高裁以商標法、著作權法、不正競爭防止法等知識財產相關法令就物之無體物面向的利用已明定排他性使用權之賦予與其界限為前提,作出兩層次之判示:

第一,欠缺法令依據,不得賦予排他性使用權:依各法令之宗旨及目的,現行法制已精緻設定使用權之範圍與界限,超越此體系而創設新型排他性權利,實非妥當。
第二,不法行為亦不成立:即便就不法行為之成否加以考量,在違法行為之範圍及態樣尚未依法令明確化之現時點,亦不得肯定不法行為之成立。

裁判官全員一致意見,破棄原判決,全部請求棄却確定。

三、重要論點

論點一:三審判斷之分歧——實質論對法定主義

核心對立

地裁・高裁類推適用人之公示性權利的論理,以實質性衡量承認物之公示性權利;最高裁則以現行知識財產法制已設定明確體系為由,堅守欠缺法令依據不得創設新型排他性權利之立場。

地裁・高裁援引新型權利隨社會狀況變化而獲承認之歷史事實,採實質論取向。最高裁則強調,商標法、著作權法、不正競爭防止法等在賦予排他性使用權之同時,亦精緻調整其界限,以防止對國民經濟活動及文化活動自由之過度限制。此一判示與物權法定主義(民法第175條)之精神相呼應,宣示了對司法造法之明確抑制立場。

論點二:下級審基準之搖擺——「出賽」對「勝出」

核心意義

地裁與高裁之間就顧客吸引力認定基準無法統一,本身即構成最高裁否定論之例證——「違法行為之範圍、態樣等尚未依法令明確化」的否定理由,在下級審的分歧中得到了具體呈現。

地裁以G1出賽資歷為基準,高裁縮限為G1勝出實績。高裁雖承認物之公示性權利,但其判斷同時顯示:即使承認該權利,其成立要件之設定亦難以達到客觀明確的程度。此點與最高裁之否定論形成深刻的相互呼應。

論點三:救濟手段之分層處理——三審一致否定差止請求

核心意義

地裁・高裁在承認物之公示性權利之前提下,仍以「尚未達到與物權・人格權・知識財產權同等之社會必要性及容許性」為由否定差止請求,僅認容損害賠償。「承認權利但限制救濟手段」之分析框架,作為一種法律論述結構值得關注。

審 級差止請求損害賠償請求
名古屋地裁 棄却 一部認容(約315萬日圓)
名古屋高裁 棄却 一部認容(減縮)
最高裁第二小法廷 棄却 棄却(不法行為不成立)

論點四:與人之公示性權利的比較——「粉紅淑女事件」(最判平成24年)

核心意義

最高裁就人之公示性權利採「判例法上可創設」之立場,就物之公示性權利則堅守「須有法令依據」之立場。此一非對稱性的理論根據,在於人格權對人格主體之固有性,與所有權之有體物性之根本差異。

比較項目人之公示性權利物之公示性權利(本件)
最高裁之立場 承認(平成24年判決) 否定(本件,平成16年)
理論根據 源自人格權(氏名権・肖像権) 主張所有權附隨→最高裁否定
差止請求 認可 三審均否定
法令上之依據 無明文(判例法上之權利得創設) 欠缺法令依據,不得承認

本件可謂就「人」與「物」在公示性權利論上之本質差異,作出了明確的司法宣示,對台灣比較法研究具有重要參照價值。

論點五:本判決之實務上意義

本案確立了日本法上物之公示性權利不被承認之實務定論。最高裁明示,物之無體物面向的利用,應在現行知識財產法制的體系框架內尋求保護,司法不得在欠缺法令依據的情況下創設新型排他性權利。此一立場對其後競走馬名稱等之利用、遊戲・競技相關知識財產問題之討論,持續發揮規範性指引功能。

最高裁判所第二小法廷 平成16年(受)第226号 平成16年2月13日判決

【判例紹介】ギャロップレーサー事件

物のパブリシティ権の成否 / 知的財産法制の体系と司法による法創造の限界

一、事案の概要

当事者

上告人(原告):「オグリキャップ」「ライスシャワー」「ホクトベガ」等の実在名馬の所有者(馬主)22名。
被上告人(被告):テクモ株式会社。競馬ゲームソフト『ギャロップレーサー』および『ギャロップレーサーII』の製作・販売業者。

本件ゲームソフトの概要

本件ゲームソフト(家庭用版・業務用版・廉価版)は、プレイヤーが騎手となって1,000頭超の実在競走馬の中から馬を選び、実際の競馬場を再現した画面でレースを行うものである。パッケージには「実在競走馬1,000頭以上完全再現——能力・走法から毛色まで完全再現!」と明記し、実在競走馬の名称・データの使用を商品宣伝の核心的な売り文句としていた。

ライセンス契約締結の状況

被告はゲーム中の一部の馬主とは使用許諾契約を締結し、商品定価の3%を登場馬匹数で按分したライセンス料を支払っていた。原告ら馬主とは何らの合意もなく、その所有する競走馬の名称・データを無断で使用した。

原告ら馬主は、当該無断使用が「物のパブリシティ権」を侵害するとして、販売差止および損害賠償を求めて提訴した。

各審の結論一覧

審 級裁判所・日付結 論
第一審 名古屋地裁
平成12年1月19日
物のパブリシティ権を承認。「G1レース出走実績」を基準として該当馬につき損害賠償を認容(原告20名、合計約315万円)。差止請求は棄却。
控訴審 名古屋高裁
平成13年3月8日
物のパブリシティ権の承認を維持するも、基準を「G1レース勝利実績」に厳格化し、損害賠償認容額を縮減。差止請求は棄却。
上告審 最高裁第二小法廷
平成16年2月13日
物のパブリシティ権を全面否定。法令上の根拠なく所有者に排他的使用権を付与することは相当でなく、不法行為も成立しない。原判決破棄、請求全部棄却確定。

二、裁判所の判断

第一審(名古屋地裁 平成12年1月19日):物のパブリシティ権の承認

地裁は人のパブリシティ権の論理を援用し、特定の物に対して大衆が関心・好感・憧憬等の感情を抱き、当該感情がその物の名称と結びついた商品に顧客吸引力を生じさせる場合には、その物の名称もパブリシティ価値を有し、物の所有者の財産的利益として保護されるべきと認定した。

要件論の論点地裁の判断
成立要件 物の名称等が客観的に固有の名声・社会的評価・知名度を取得し、それ自体として顧客吸引力を有すること
権利帰属 その物の所有者に帰属;所有権とは別個だが附随性を有する
所有権移転の効果 移転後のパブリシティ権は新所有者に移転;移転前の部分は旧所有者に帰属
対象物の消滅(死亡) パブリシティ価値が存続する限度で、消滅時の所有者が主張可能
差止請求 不認容(法的根拠なし)
損害賠償 認容(不法行為論による)

顧客吸引力の認定基準については「G1レースに出走したことのある」馬について肯定し、その他は否定した。損害額は被告の別件契約におけるライセンス料算定方式(商品定価の3%を登場馬匹数で按分)に基づき算定し、原告20名について合計約315万円を認容した。

控訴審(名古屋高裁 平成13年3月8日):基準の厳格化

高裁は地裁の判断枠組みを基本的に維持して物のパブリシティ権を承認したが、顧客吸引力の認定基準を厳格化した。「G1レースに出走したことのある」馬から「G1レースに勝利したことのある」馬に絞り込み、実際の勝利実績を要件とした。損害賠償認容額はこれに応じて縮減された。差止請求は地裁と同様に棄却した。

上告審(最高裁第二小法廷 平成16年2月13日):全面否定

【要旨】競走馬の名称等がパブリシティ価値を有するとしても、物の無体物としての側面の利用という形態における競走馬名称等の使用について、法令等の根拠なく競走馬の所有者に排他的使用権等を付与することは相当でない。また、競走馬名称等の無断利用行為の不法行為の成否については、違法行為の範囲・態様等が法令等により明確化されていない現時点では、その成立を肯定することはできない。

最高裁は、商標法・著作権法・不正競争防止法等の知的財産関連法令が物の無体物としての側面の利用について排他的使用権の付与とその限界を既に規定していることを前提として、以下の二段階の判示を行った。

第一に、法令上の根拠なく排他的使用権を付与することは相当でない:各法令の趣旨・目的に照らし、現行法制は使用権の範囲と限界を精緻に設定しており、この体系を超えて新たな排他的権利を創設することは相当でない。
第二に、不法行為も成立しない:不法行為の成否を検討するとしても、違法行為の範囲・態様が法令により明確化されていない現時点では、不法行為の成立を肯定することはできない。

裁判官全員一致の意見により原判決を破棄し、請求全部棄却が確定した。

三、重要な論点

論点一:三審の判断の分岐——実質論対法定主義

核心的対立

地裁・高裁は人のパブリシティ権の論理を類推適用し、実質的衡量により物のパブリシティ権を承認した。最高裁は、現行知的財産法制が明確な体系を設けていることを根拠に、法令上の根拠なく新たな排他的権利を創設することはできないとの立場を堅持した。

地裁・高裁は、新型の権利が社会の状況変化に応じて承認されてきた歴史的事実を援用し、実質論的アプローチを採った。最高裁は、商標法・著作権法・不正競争防止法等が排他的使用権を付与すると同時にその限界を精緻に調整し、国民の経済活動・文化活動の自由に対する過度な制限を防いでいることを強調した。この判示は物権法定主義(民法第175条)の精神と呼応し、司法による法創造に対する明確な抑制姿勢を示したものである。

論点二:下級審の基準のブレ——「出走」対「勝利」

核心的意義

地裁と高裁の間で顧客吸引力の認定基準が統一されなかったこと自体が、最高裁の否定論の例証となっている。「違法行為の範囲・態様等が法令により明確化されていない」という否定理由は、下級審の分岐において具体的に示された。

地裁はG1出走実績を基準とし、高裁はこれをG1勝利実績に絞り込んだ。高裁は物のパブリシティ権を承認しながらも、その判断は同時に、当該権利を承認するとしてもその成立要件を客観的・明確に設定することが困難であることを示していた。この点は最高裁の否定論と深く呼応している。

論点三:救済手段の段階的処理——三審一致の差止請求棄却

核心的意義

地裁・高裁は物のパブリシティ権を承認しながらも、「物権・人格権・知的財産権と同等の社会的必要性および容認性には至っていない」として差止請求を否定し、損害賠償のみを認容した。「権利を承認しながら救済手段を制限する」という分析枠組みは、法律論述の構造として注目に値する。

審 級差止請求損害賠償請求
名古屋地裁 棄却 一部認容(約315万円)
名古屋高裁 棄却 一部認容(縮減)
最高裁第二小法廷 棄却 棄却(不法行為不成立)

論点四:人のパブリシティ権との比較——「ピンク・レディー事件」(最判平成24年)

核心的意義

最高裁は人のパブリシティ権については「判例法上創設可能」とする立場を採りながら、物のパブリシティ権については「法令上の根拠が必要」とする立場を堅持した。この非対称性の理論的根拠は、人格権が人格主体に固有のものであることと、所有権の有体物性との本質的差異にある。

比較項目人のパブリシティ権物のパブリシティ権(本件)
最高裁の立場 承認(平成24年判決) 否定(本件、平成16年)
理論的根拠 人格権(氏名権・肖像権)に由来 所有権への附随を主張→最高裁否定
差止請求 認容 三審すべて否定
法令上の根拠 明文なし(判例法上の権利として創設可) 法令上の根拠欠如、承認不可

本件は「人」と「物」のパブリシティ権論における本質的差異について明確な司法上の宣示を行ったものとして、比較法研究上も重要な参照価値を有する。

論点五:本判決の実務上の意義

本件は日本法上、物のパブリシティ権が認められないという実務上の確立した結論を示した。最高裁は、物の無体物としての側面の利用については現行知的財産法制の体系的枠組みの中で保護を求めるべきであり、法令上の根拠なく新たな排他的権利を司法が創設することはできないと明示した。この立場はその後の競走馬名称等の利用、ゲーム・競技に関連する知的財産問題をめぐる議論に対して、規範的な指針として継続的な影響を及ぼしている。



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